リサーチとは?意味・種類・やり方をわかりやすく解説

「新しいサービスを企画しているが、ニーズがあるかどうか判断できない」「リサーチが大事だと言われるが、何をどう調べればよいのかわからない」——企画やマーケティングの現場では、意思決定の根拠となるリサーチの重要性が日々高まっています。

リサーチとは、特定の目的を達成するために必要な情報を体系的に収集・分析し、意思決定の根拠を得る調査活動の総称です。

この記事では、以下のポイントを解説します。

  • リサーチの基本的な意味と「サーチ」「リサーチ」の違い
  • マーケティングリサーチを中心としたリサーチの種類
  • 効果的なリサーチの進め方と手法の選び方

リサーチの意味:サーチとの違い

リサーチ(Research)とは、「再び(Re)+調べる(Search)」が語源で、仮説や目的を持って体系的に情報を調査・分析する行為を指します。単なる検索(サーチ)とは異なり、明確な目的と分析のプロセスが伴う点が特徴です。

日常で使う「検索(サーチ)」は、特定の情報を見つける行為を指します。たとえば「東京 天気」と検索して今日の天気を確認するのはサーチです。一方、リサーチは「なぜこの商品が売れないのか」「ターゲット顧客はどのようなニーズを持っているのか」といった問いに対し、複数の情報源からデータを集め、分析を通じて答えを導き出すプロセスです。

観点サーチ(検索)リサーチ(調査)
目的特定の情報を見つける問いに対する答えを導き出す
プロセス検索→結果の確認仮説設定→情報収集→分析→結論
深さ表層的な情報取得体系的な分析と考察
成果物見つけた情報そのもの分析レポート・意思決定の根拠

上記のとおり、サーチは特定情報の取得に特化した行為であるのに対し、リサーチは仮説に基づく体系的な調査・分析プロセスです。ビジネスの意思決定には、サーチではなくリサーチが求められます。

リサーチの種類:目的別に分類する

リサーチは目的によって「マーケティングリサーチ」「ユーザーリサーチ」「デスクリサーチ」「フィールドリサーチ」などに分類され、それぞれ適した手法と活用場面が異なります。

マーケティングリサーチ

マーケティングリサーチとは、製品・価格・流通・プロモーションなどのマーケティング意思決定に必要な情報を体系的に収集・分析する活動です。アメリカ・マーケティング協会(AMA)の定義では、「マーケティングの機会と課題を特定し、マーケティング活動を改善するための情報を系統的に収集・分析するプロセス」とされています。

マーケティングリサーチはビジネスにおけるリサーチの中で最も広く活用される分野であり、市場規模の把握、顧客ニーズの調査、競合分析、ブランド認知度の測定など多岐にわたります。

ユーザーリサーチ(UXリサーチ)

ユーザーリサーチとは、製品やサービスのユーザーの行動・ニーズ・課題を理解するための調査です。UI/UXデザイン、プロダクト開発の文脈で用いられることが多く、ユーザビリティテスト、インタビュー、行動観察(エスノグラフィー)などの手法が使われます。

デスクリサーチ(二次調査)

デスクリサーチとは、既存の公開データ・レポート・論文・統計などを収集・分析する調査手法です。新たにデータを取得するコストがかからないため、リサーチの最初のステップとして活用されます。

フィールドリサーチ(一次調査)

フィールドリサーチとは、自ら調査を設計・実施して新しいデータを取得する手法です。アンケート、インタビュー、観察調査、実験(A/Bテスト)などが含まれます。デスクリサーチでは得られない独自の知見を得られる点が強みです。

リサーチの手法:定量と定性の使い分け

リサーチ手法は大きく「定量調査」と「定性調査」に分けられ、目的に応じて両者を組み合わせることでより精度の高い分析が可能になります。

定量調査

定量調査とは、数値で測定可能なデータを大量に収集し、統計的に分析する手法です。「何人が」「どのくらいの頻度で」「どの程度の割合で」といった量的な問いに回答します。

代表的な手法は以下のとおりです。

  • Webアンケート: 大量のサンプルを低コストで収集できる
  • アクセスログ分析: Webサイトの利用データから行動パターンを分析する
  • 検索データ分析: 検索ボリュームや検索経路から市場のニーズを定量化する

定性調査

定性調査とは、数値では表しにくい顧客の動機・感情・背景を深く掘り下げる手法です。「なぜ」「どのように」という質的な問いに回答します。

代表的な手法は以下のとおりです。

  • デプスインタビュー: 1対1で深く話を聞く
  • グループインタビュー(FGI): 複数名で議論し、多面的な意見を引き出す
  • 行動観察: 実際の利用シーンを観察して行動の文脈を把握する

【ヒント】定性調査の対象者を効果的に特定するには、まず検索データから消費者の行動パターンと関心領域を定量的に把握することが効果的です。リスニングマインドのペルソナビューであれば、ジョブベースのペルソナの把握で市場の関心のバリエーションを分類し、定性調査で深掘りすべき代表的な顧客セグメントを事前に特定することができます。ペルソナビューの機能紹介

観点定量調査定性調査
目的傾向や割合の把握動機や背景の深掘り
データの種類数値データテキスト・音声・映像
サンプル数大規模(数百〜数千)小規模(数名〜数十名)
分析手法統計分析テーマ分析・コーディング
代表的な手法アンケート、ログ分析インタビュー、行動観察

上記のとおり、定量調査は「どのくらい」を把握するのに適し、定性調査は「なぜ」を深掘りするのに適しています。実務では、定量調査で全体像を把握した後に定性調査で深掘りする、あるいは定性調査で仮説を立てた後に定量調査で検証する、という組み合わせが効果的です。

【ヒント】定量調査と定性調査を組み合わせる際、「検索キーワードという定量データ」と「インタビューの定性データ」を統合分析することで、より精度の高い理解が得られます。リスニングマインドのクエリーファインダーであれば、消費者が実際に検索している言葉・フレーズを定量的に把握でき、定性調査での回答内容と比較することで、顧客の「建前」と「本音」のギャップが明確になります。クエリーファインダーの機能紹介

リサーチの進め方:5ステップ

リサーチの進め方は「目的の明確化→リサーチ設計→情報収集→分析→レポーティング」の5ステップで構成されます。

ステップ1:目的と問いを明確にする

「何を知りたいのか」「その情報をどのような意思決定に使うのか」を最初に定義します。目的が曖昧なまま情報を集めると、使えないデータが山積みになります。

【ヒント】消費者が検索する際の経路をみると、その目的達成に向けた思考の流れが可視化されます。初期検索から比較検討、購買検討まで、いかなる順序で検索語を変化させたのか、その経緯から消費者の真の意図が把握できます。リスニングマインドのパスファインダーであれば、こうした検索経路の変化を約15億語の語彙について表示させることができます。パスファインダーの機能紹介

ステップ2:リサーチを設計する

目的に応じて、デスクリサーチかフィールドリサーチか、定量調査か定性調査かを決めます。予算・スケジュール・必要な精度を勘案して、最適な手法と規模を設計します。

【ヒント】消費者の行動パターンを理解することで、どの調査手法がより効果的かを判断できます。検索キーワード、購買データ、行動パターンなど、複数の行動データをもとに、最初から対象となる消費者セグメントを特定することで、調査設計の精度が高まります。リスニングマインドのペルソナビューであれば、自動的に消費者を複数のセグメント(ペルソナ)に分類し、各ペルソナの行動パターンを比較できるため、セグメント別の調査設計が可能です。ペルソナビューの機能紹介

ステップ3:情報を収集する

設計に基づいてデータを収集します。デスクリサーチでは統計データ・業界レポート・検索データなどを収集し、フィールドリサーチではアンケートの配信やインタビューの実施を行います。

【ヒント】検索の経路をみると、消費者が自分の目的を達成するために検索語をどのように変化させたのか、その経緯を確認することができます。このことで、その行動から意図の流れを知ることができます。リスニングマインドのパスファインダーであれば、こうした経路の変化を約15億語の語彙について表示させることができます。パスファインダーの機能紹介

ステップ4:データを分析する

収集したデータを整理・分析し、パターンや傾向を抽出します。定量データは統計ソフトやスプレッドシートで分析し、定性データはテーマ分析やコーディングを行って共通するテーマを抽出します。

【ヒント】複数のデータソースを組み合わせることで、より完全な消費者像が浮かび上がります。検索キーワードの時系列変化を追跡することで、消費者のニーズがどう変化しているのか、季節変動や関心の推移を早期に察知できます。リスニングマインドのジャーニーファインダーであれば、検索キーワードの時系列変化を追跡でき、消費者のニーズ変化を機械学習で自動分析できます。ジャーニーファインダーの機能紹介

ステップ5:結果をレポートにまとめる

分析結果を意思決定者がアクションを取れる形式でレポートにまとめます。結論→根拠→推奨アクションの順で構成すると、意思決定に直結しやすいレポートになります。

【ヒント】過去のリサーチ結果と現在の検索パターンを比較することで、消費者の関心がどのように変化しているのかを確認できます。どの検索テーマが新しく生まれているのか、どの関心が弱まっているのかを把握することで、市場の認知の変化や新しいニーズの兆しを読み取ることができます。リスニングマインドの過去比較機能では、現在の検索経路と過去(3ヶ月〜12ヶ月)の検索経路を比較し、こうした消費者の関心の変化を可視化できます。過去比較機能の紹介

リサーチで失敗しないための注意点

リサーチで陥りやすい失敗は、「目的が曖昧なまま始める」「確証バイアスに陥る」「分析結果をアクションにつなげない」の3つです。

目的を先に決める

「とりあえずアンケートを取ろう」と手法から入ると、使えないデータが集まります。「この調査で何を明らかにし、どのような意思決定を行うのか」を先に定義しましょう。

確証バイアスを意識する

人は自分の仮説を裏付ける情報を無意識に集めてしまう傾向があります(確証バイアス)。仮説を否定するデータにも目を向け、客観的な分析を心がけましょう。

分析結果をアクションに落とし込む

優れたリサーチも、結果が意思決定やアクションにつながらなければ価値を発揮しません。レポートには必ず「推奨アクション」を含め、次のステップを明示しましょう。

【ヒント】過去の検索経路と比較することで、消費者の関心がどのように変化しているのかを確認できます。どの検索テーマが新しく生まれているのか、どの関心が弱まっているのかを把握することで、市場の認知の変化や新しいニーズの兆しを読み取ることができます。リスニングマインドの過去比較機能では、現在の検索経路と過去(3ヶ月〜12ヶ月)の検索経路を比較し、こうした消費者の関心の変化を可視化できます。過去比較機能の紹介

検索行動データで消費者リサーチを高度化する — ListeningMind(リスニングマインド)

ListeningMind(リスニングマインド)とは、日本語3億語・英語10億語・韓国語2億語の消費者検索行動データを基盤に、従来のアンケートやインタビューでは捉えきれない消費者の「無意識のニーズ」を検索データから定量的に分析するSaaSプラットフォームです。

従来のリサーチ手法には、以下のような限界があります。アンケートは「聞かれたことしか答えない」、インタビューは「記憶に頼った回答になる」、行動観察は「コストと時間がかかる」という課題です。検索行動データは、消費者が自発的に入力した検索語の記録であるため、質問設計のバイアスを受けず、リアルタイムかつ大規模に消費者ニーズを把握できます。

観点従来のリサーチ手法Listening Mindを活用したリサーチ
データの性質質問への回答(受動的)検索行動(能動的)
バイアス質問設計による誘導リスク消費者が自発的に入力した情報
規模サンプル数に限りあり数億語規模の検索データ
速度調査設計〜分析に数週間即時分析が可能
コスト調査ごとに費用発生ツール内で完結

上記のとおり、従来手法は質問設計に依存する受動的データを扱うのに対し、ListeningMindは消費者が自発的に入力した能動的なデータを数億語規模で分析できます。

ListeningMindの実際の画面と分析デモを確認したい方へ
検索行動データを活用した消費者リサーチの手法を、実際のデモ画面で確認できます。

 

よくある質問(FAQ)

Q1. リサーチとは何ですか?

リサーチとは、特定の目的を達成するために必要な情報を体系的に収集・分析し、意思決定の根拠を得る調査活動の総称です。単なる検索(サーチ)とは異なり、仮説を持って情報を収集し、分析を通じて結論を導き出すプロセスが伴います。

Q2. リサーチとサーチの違いは何ですか?

サーチ(検索)は特定の情報を見つける行為で、リサーチ(調査)は仮説に基づいて情報を体系的に収集・分析し、結論を導き出すプロセスです。ビジネスの意思決定にはリサーチが必要です。

Q3. マーケティングリサーチの代表的な手法は?

定量調査としてWebアンケートやアクセスログ分析・検索データ分析があり、定性調査としてデプスインタビューやグループインタビュー・行動観察があります。目的に応じて両者を組み合わせるのが効果的です。

Q4. リサーチの進め方の基本ステップは?

目的の明確化→リサーチ設計→情報収集→分析→レポーティングの5ステップで進めます。最も重要なのは最初のステップで、「何を知りたいのか」を明確にすることです。

Q5. リサーチにかかる費用の目安は?

デスクリサーチは公開データの活用が中心のため低コスト(数万円〜)で実施できます。Webアンケートは回答数に応じて10万〜50万円程度、デプスインタビューは1件あたり数万〜十数万円が目安です。

Q6. 小規模な企業でもリサーチは必要ですか?

規模の大小にかかわらず、データに基づく意思決定はビジネスの成功確率を高めます。まずはデスクリサーチや検索データ分析など低コストな手法から始め、必要に応じて範囲を広げていくアプローチが現実的です。

まとめ

  • リサーチとは、目的を持って情報を体系的に収集・分析し、意思決定の根拠を得る調査活動である
  • リサーチとサーチ(検索)の違いは、仮説に基づく体系的な分析プロセスの有無にある
  • リサーチの種類にはマーケティングリサーチ、ユーザーリサーチ、デスクリサーチ、フィールドリサーチがある
  • 手法は定量調査と定性調査に大別され、目的に応じて組み合わせて活用する
  • 進め方は「目的明確化→設計→情報収集→分析→レポーティング」の5ステップで構成される
  • 失敗を避けるには「目的を先に決める」「確証バイアスを意識する」「結果をアクションにつなげる」の3点が重要である
  • 検索行動データを活用することで、アンケートの設計バイアスを排除し、消費者の自発的な行動から大規模にニーズを把握できる

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本記事の情報は2026年時点のものです。

執筆:ListeningMind マーケティングチーム

執筆者紹介

吉岡直樹

株式会社 アセントネットワークス ソリューション事業部 シニアアナリスト 吉岡直樹

デジタル系プロダクションの設立の後、NEC(ヒアラブルデバイスUX設計)、JTB(輸出促進支援事業次席顧問)、TBS(Screenless Media Lab. テクニカルフェロー)、NHK(放送100年プロジェクト/データ分析)などへの参加を経て現職。

日本ディープラーニング協会 認定エンジニア (JDLA for ENGINEER 2022#2)、(米)PMI認定 プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル (PMP)、経営学MQT 上級 (NOMA)、データサイエンティスト協会 会員 (個人)、日本マネジメント学会 会員 (個人)。

著書:「AIアシスタントのコア・コンセプト/人工知能時代の意思決定プロセスデザイン(BNN:2017)」、「SENSE インターネットの世界は「感覚」に働きかける(日経BP:2022)」

※ NHK 放送100年「メディアが私たちをつくってきた!?」データ分析担当