健康志向の高まりは、食の選び方にも新たな潮流を生み出しています。
「カロリーは抑えたい」「塩分も気になる」「でもタンパク質はしっかり摂りたい」
そんな声が広がる中、検索データにも生活者の意識の変化が表れています。
今回は、時短食・冷凍食に続いて、健康を軸にカロリーとタンパク質いう2つの栄養素を中心にした検索トレンドをご紹介します。
*本記事はインテントデータレポ―ト「時短・冷凍・健康│3つの視点で読み解く簡便食トレンド」の一部を抜粋して作成しております。レポートはこちらからご確認ください。
健康志向の中の高カロリー需要

高カロリーに関連する検索量は年間68万回にのぼり、なかでもゼリーや飲み物に関する検索が目立ちます。効率的に摂取できる“手軽さ”が重視されているのです。
低カロリー志向が広がる一方で、“高カロリー需要”も依然として強く残っていることが分かりました。
では、なぜあえて高カロリーな食べ物・飲み物を検索するのでしょうか?
高カロリー食品の役割

“高カロリー食べ物”の前後の検索経路を分析すると、求めている層は大きく2つに分かれました。
①高齢者向け
やわらか食、ゼリー、高栄養補助食品といった“食べやすさと栄養補給”を両立するニーズ。
②健康的に太りたい・体重を増やしたい人
高タンパク、高カロリーごはん、食事管理といったキーワードが目立つ。
このように高カロリー食品は、単に「健康志向に逆行する存在」ではなく、“必要な栄養を補うための手段”として重要な役割を担っています。高齢者の栄養補給から、筋トレや体重増加を目的とする若年層まで、利用シーンは幅広く、健康志向の流れの中でも一定の存在感を保ち続けるでしょう。
検索量急増中のタンパク質×水

現代ではタンパク質も健康に欠かせないキーワードです。なかでも最近注目を集めているのが“ペットボトル”での摂取。セブンイレブン×Cycle.meのタンパク質が摂れる水や、ファミマのタンパクチャージなど、コンビニ発のペットボトルドリンク関連のキーワードの検索量が6〜7月に急増しています。
これまでのプロテインバーやサプリに加え、スープや水など“日常の飲み物”からタンパク質を摂れる選択肢が広がり、より手軽に継続できるスタイルが生活に定着しつつあります。
タンパク質×季節の定番食材

枝豆・うなぎ・そうめん・とうもろこしといった“夏の定番食材”は、毎年この季節に検索が増加します。なかでも枝豆・うなぎ・そうめんといった食材は、「タンパク質」との掛け合わせ検索が前年を上回り、健康やフィットネス視点での関心拡大がうかがえます。
夏バテ対策から筋トレ食へ進化するそうめん

“そうめん タンパク質おかず”の検索経路を昨年の夏と比較すると、昨年は“夏バテ対策”が中心だったのに対し、今年は“筋トレ・筋肉・タンパク質”といったフィットネス需要が目立ちます。
そうめん単体では筋肉食になりにくいものの、豆腐やちくわなど高タンパク食材を組み合わせることで“筋トレ食”として成立。そのため検索経路でも“ちくわ”に繋がるケースが多く見られます。
昨年は磯部揚げが中心でしたが、今年は炒め物やチーズ和え、レンジ加熱など調理法の幅が広がり、簡便性と栄養性を両立したそうめん+ちくわのおかずが定着しつつあります。
まとめ
このように、健康志向が高まる中でも高カロリー需要は一定数存在し、タンパク質摂取は多様化が進んでいることが分かりました。
特にタンパク質が摂れる水やタンパクチャージへの関心の高まりは、生活者の新しい摂取スタイルを示しています。
レポートでは、塩分を軸にした分析や、低カロリーの無水カレーと関連する特定のカレー粉についても紹介しています。
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01.時短
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