[レポート]古米を軸にした新たなCEPの兆し

今年に入り、米の価格高騰が連日のように報じられ、実際に価格上昇や品薄を実感している方も多いのではないでしょうか。こうした背景のもと、「備蓄米」や「古米」への注目も高まりつつあります。
本記事では、検索データをもとに、古米に対する消費者の関心や不満、そして「古米を美味しく食べる」際に思い浮かべるアイテムや行動を紐解きます。そこから、古米を起点とした新たなカテゴリーエントリーポイント(CEP)の可能性が見えてきます。

備蓄米と古米の検索量比較

“備蓄米”というキーワードは年間174万回検索されており、3月には約20万回検索されています。しかし、関連キーワードは332個と派生はまだ少なく、検索内容の多くは“放出の時期、価格、仕組み”など、基本的な情報の把握にとどまっています。

一方で、“古米”年間検索量は備蓄米の半分以下であるものの、関連キーワード数は824個と約2.5倍にのぼり、消費者がより多様な視点から古米に関する情報を求めていることが分かります。“炊き方”“美味しく炊く方法”といった検索が多く、古米に対する不満や、通常とは異なる調理法を模索していることが見受けられます。

現在放出されている備蓄米は、保管期間を経た古米に該当するケースが大半であるため、消費者の中では“備蓄米=古米(あるいは古古米)”という認識が広まりつつあります。そのため、備蓄米の放出前に、古米に関する質問や検索インテントを参考にコンテンツを準備しておくことで、消費者が求めている情報を提供する、有効な施策となるでしょう。

検索経路から古米を美味しくないと感じるポイントを把握

まず、“古米を美味しく炊く方法”の前後の検索経路から、古米に対する消費者の不満と解決方法を分析してみました。消費者は古米に対して“まずい・臭い・パサパサ”といったネガティブな印象を持ち、それを解決する方法を積極的に探していることが分かります。
その解決策としては、“油・みりん・はちみつ・マヨネーズ・酒”などの調味料の活用や、“もち米”とのブレンドといった工夫が検索されており、家にある調味料で手軽に改善できる方法へのニーズが伺えます。

古米を軸にした新たなCEPのヒント

古米に対する不満や工夫を更に幅広く把握するために、“古い米 使い道”の前後3段階にわたって検索されている4,794件のキーワードを収集・分析しました。

その結果、検索意図は主に以下の3つに分類されます。
不満や懸念への対処:お米の酸化や劣化、匂いや臭み、消費期限への不安、食中毒リスクなど、品質・安全性に対する懸念
調理方法によるリメイク:チャーハン、リゾット、おこわなど、水分調整がしやすく古米の食感を活かせる料理の工夫
炊飯方法による改善:はちみつや炭酸水、油、みりん、酒などを加えることで食味を補うテクニック

このように、古米に対する不安の一方で、それを解決・活用しようとする前向きな工夫も数多く見られました。
これらの検索傾向からは、古米の正しい扱い方や美味しく食べる方法に対するニーズが明確に読み取れます。

したがって、古米に関する正確な情報提供と実用的なレシピ・工夫を盛り込んだコンテンツは、消費者の課題を解決しながら、古米を軸とした新たなエントリーポイントの創出にもつながると考えられます。

炭酸水の新たなCEP:古米を美味しく炊きたい時

炊飯方法による改善の1つとして、“炭酸水を使った炊飯方法”が多く検索されていることが確認されました。この傾向から、“古米を美味しく炊きたい時”こそが、炭酸水の新たなカテゴリーエントリーポイント(CEP)として機能していると捉えることができます。
今後、古米対策や調理アイデアのひとつとして、炭酸水を活用した炊飯法を発信することは、消費者の期待に応える有効なアプローチとなるでしょう。

炊飯方法による改善策の中でも、“炭酸水を使った炊飯方法”は特に検索数が多く、関心の高いテーマであることが確認されました。この傾向は、“古米を美味しく炊きたい”というニーズに対し、炭酸水が新たなカテゴリーエントリーポイント(CEP)として機能している可能性を示しています。
今後、古米対策や調理アイデアのひとつとして、炭酸水を活用した炊飯法を発信することは、消費者ニーズに応える有効なアプローチとなるでしょう。

まとめ

このように検索データを活用すれば、備蓄米が市場に出回るタイミングで、消費者が求める情報や課題を先回りして捉えることが可能になります。それをコンテンツとして発信することで、ユーザーとの接点を強化し、新たな需要創出やブランド想起のきっかけにもつながります。
さらに、古米というニッチなテーマからでも、新たなカテゴリーエントリーポイント(CEP)を見出すことで、商品やブランドの訴求軸を広げるヒントが得られます。

レポートのフルバージョンでは本記事では紹介できなかった古米に関する消費者インサイトや、プロテイン・副業のカテゴリーエントリーポイントも紹介しております。是非フルバージョンもご確認ください。

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