製薬・ヘルスケア業界マーケティングに役にたつ情報|一般の人々は身体の症状をどう調べているのか?

消費者は症状をどう検索するのか?ヘルスケア業界マーケティングに必要なターゲット分析のサムネール

製薬・ヘルスケア領域では、生活者は医師や薬剤師に相談する前から、自分の身体に起きている不調をネットで調べ始めています。製薬会社や、医療機器・ヘルスケア製品を提供する企業にとって大切なのは、「誰がどの薬を買うか」だけではありません。生活者が自分の症状をどのような言葉で表現し、どのタイミングで市販薬やセルフケア、受診を考え始めるのかを知ることです。

この記事でわかること

  • 生活者が、病名ではなく「症状の言葉」から不調を調べ始める理由
  • アンケートやインタビューだけでは見えにくい、「病院に行くほどではない不調」の捉え方
  • TFCC損傷・呑気症の例から見る、症状の言葉が病名や対処法につながっていく流れ
  • ListeningMind パスファインダーを活用して、生活者の調べ方や検討タイミングを見える化する方法

製薬・ヘルスケアの生活者理解は「症状の言葉」から始まる

生活者は、最初から正しい病名や商品名を知っているわけではありません。

たとえば「腱鞘炎」「湿疹」「TFCC損傷」のような専門用語で調べる人もいますが、実際の入口は、もっと日常の感覚に近い言葉であることが少なくありません。

手首に違和感がある人は、「手首 内側 曲げる 痛い」のように、自分が感じていることをそのまま言葉にして調べます。肌のかゆみや赤みが気になる人も、最初から病名を決めつけるのではなく、目に見える症状や、今感じている不快感を手がかりに情報を探し始めます。

こうした言葉には、アンケートやインタビューだけでは拾いきれない生活者の本音が表れています。

まだ診断を受ける前の不安、病院に行くべきか迷っている気持ち、市販薬やセルフケアで何とかしたい思い、そして購買や受診を考え始める瞬間の判断基準まで、調べる行動の中には自然に残されています。

「病院に行くほどではない不調」が、現場では見つけられない

この「症状の言葉」から生活者を理解することは、多くのヘルスケア企業にとって重要でありながら、把握しづらい領域でもあります。

セルフケア製品メーカーの場合

サポーターやテーピング、外用薬といったセルフケア製品を扱うメーカーには、共通する悩みがあります。「腱鞘炎かもしれない」「湿布やテーピングで何とかしたい」「病院に行くほどではないけれど、少し気になる」——こうした層を見つけたいと思っても、従来の定量・定性調査ではなかなか姿が見えません。 すでに受診した人やはっきりした病名を答えられる人は調査対象になりやすい一方で、「なんとなく痛い」「少し違和感がある」段階の生活者は、アンケートやインタビューでは拾いにくいからです。

市販薬メーカーの場合

市販薬を扱う企業も同様です。処方薬より先に市販薬を選ぶ人はなぜそうするのか。市販薬で改善しなかった人は、どのタイミングで受診を考え始めるのか。「仕事帰りに咳が気になる」「寝る前に胃の不快感がある」といった生活シーンの中で、どのように商品を想起するのか——こうした問いは、購買データやモニター調査だけでは答えにくいものです。

企業が使う専門用語と、生活者が実際に使っている言葉の間には大きなギャップがあります。このギャップを埋める手がかりが、生活者がネットで調べた言葉の中にあります。

ListeningMindで症状から始まる調べ方の流れを見える化する

ListeningMindのパスファインダーを活用すると、生活者が症状をどのような言葉で調べ始め、どのように病名や対処法、商品検討へ進んでいくのかを見える化できます。

ブランド名や商品名ではなく、生活者が実際に感じている不調の言葉から見ていくことで、ヘルスケア領域におけるターゲット理解はより具体的になります。

以下では、TFCC損傷と呑気症という2つの例をもとに、症状の言葉がどのように病名や対処法につながっていくのかを見ていきます。

ケース①:TFCC損傷|手首の違和感が疾患名にたどり着くまで

TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)の調べ方を見てみると、生活者は最初から「TFCC損傷」という病名を知っているわけではありません。 入口には、 「手首の痛み」 「手のくるぶし 痛い」 「手首 屈曲 痛み」 「手首の小指側が痛い」 のような日常的な症状の言葉が多く見られます。

生活者はまず、自分の身体に起きている違和感を自分の言葉で調べます。その後、「TFCC損傷」という病名にたどり着き、さらに次のような段階へ進んでいきます。

  • 受診を考える段階:「TFCC損傷 病院 行くべきか」「TFCC損傷 重症度 チェック」
  • セルフケアや治療を調べる段階:「TFCC損傷 自然治癒」「TFCC損傷 ストレッチ」「TFCC損傷 セルフケア」
  • 商品を探す段階:「TFCC損傷 サポーター」「tfcc損傷サポーター ランキング」「tfcc損傷サポーター 医療用」

また、この流れからは、「野球 手首 痛い」 「TFCC損傷 ゴルフ」 「TFCC損傷 筋トレ」などの症状が起きた場面も見えてきます。こうした言葉からは、スポーツ中の痛みがきっかけになった人が見えてきます。

一方で、「車ハンドル 手首 痛い」 「手首 回すとポキポキ」 「手首 ゴリゴリ鳴る」といった言葉からは、日常動作の中で違和感を覚えた人の姿が浮かび上がります。

ケース②:呑気症|「喉が詰まる」「ゲップ」から対処法を探す流れ

「呑気症 治し方 すぐ」の検索経路をパスファインダーで見てみると、生活者が病名や治療法だけを調べているわけではなく、「喉が詰まる感じ ゲップが出る」 「喉に空気がたまる感じ」 「ゲップがよく出る 喉に違和感」 「胸が詰まった感じ ゲップ」 「胃に空気が溜まる病気」 「寝てる時に空気が溜まる」などの喉・胸・胃に感じる具体的な違和感をもとに情報を探していることが分かります。

生活者は、最初から「呑気症」という言葉を知っているとは限りません。自分の身体で起きている感覚を、そのまま言葉にして調べています。

日常生活の中で説明しづらい症状が、調べるきっかけになっているのです。

その後、調べる流れは、「呑気症 治し方 すぐ」 「おならを出す方法」 「喉に空気がたまる 治し方」といった、原因の確認や、今すぐできる対処法を探す方向へ移っていきます。

生活者は必ずしも、すぐに病院へ行きたいわけではありません。まずは自分の症状が何なのかを知り、できれば自分で改善できる方法を探しているのです。


ListeningMind パスファインダーなら、症状の言葉から生活者の全体像をつかめる

パスファインダーは、症状から始まる調べ方の流れをデータで見える化できるツールです。

ブランド名や商品名ではなく、生活者が実際に感じている不調の言葉から見ていくことで、ヘルスケア領域におけるターゲット理解の解像度は大きく高まります。

パスファインダーで把握できること

症状の言葉を広く把握できる

アンケートでは拾いにくい「まだうまく言葉にできていない不調」も、調べる行動の中には表れています。

症状が起きる場面が見えてくる

「野球 手首 痛い」「TFCC損傷 ゴルフ」「車ハンドル 手首 痛い」といった言葉から、どのような場面やライフスタイルの中で症状が起きているのかを知ることができます。 ペルソナ設計やセグメント分類の根拠としても活用できます。

受診・セルフケア・購入の段階が見えてくる

「病院 行くべきか」「自然治癒 期間」「サポーター ランキング」といった言葉を見ることで、生活者が今どの段階にいるのかを把握できます。 受診を迷っている段階なのか、セルフケアを探している段階なのか、商品購入に近づいている段階なのか——それによってアプローチの内容も変わってきます。

競合との比較にも活用できる

同じ症状領域にある競合ブランドと自社ブランドへの調べられ方を比べることで、生活者の頭の中でどのような位置づけになっているのかを把握できます。 また、競合がまだ接点を持てていない症状の言葉を見つけることで、新しい訴求のヒントにもつながります。

分析の入口は「病名」ではなく「症状の言葉」にする

ListeningMindを活用したヘルスケア領域の分析では、最初から「病名」や「商品名」だけを見るのではなく、生活者が最初に使いそうな症状の言葉から見ていくことがポイントです。

たとえば「TFCC損傷」ではなく、「手首 小指側 痛い」から見ていくことで、まだTFCC損傷という病名を知らない生活者まで含めた、広いターゲット像が見えてきます。 呑気症についても、「呑気症」という病名ではなく、 「喉に空気がたまる感じ」 「ゲップ 喉 違和感」 といった症状の言葉から見ていくことで、自己判断の前段階にいる生活者にも目を向けることができます。

症状の言葉から、生活者のこころを見てみませんか?

ListeningMindでは、実際の調べ方の流れをもとに、ヘルスケア領域のターゲット理解を支援します。
導入のご相談や活用イメージの確認は、お気軽にお問い合わせください。

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よくある質問

Q. 生活者の分析にはどんな方法がありますか?製薬・ヘルスケアならではの違いは?

よく使われるのは、アンケート・インタビュー・購買データの分析です。ただ製薬・ヘルスケア領域では、これらは「自分の症状をすでに言葉にできる人」しか対象にできません。生活者がネットで調べた言葉を加えて見ることで、病名にたどり着く前の段階で使われている「症状の言葉」まで把握できるようになります。

Q. 市販薬のマーケティングでも役に立ちますか?

役に立ちます。市販薬は多くの生活者が日常的に調べているテーマで、その入口は商品名ではなく「症状の言葉」であることがほとんどです。どの症状からどの商品カテゴリへと調べ進めているかを見ることで、パッケージやPOP、コラムの言葉づかいに生活者の表現を反映できます。市販薬で改善しなかった人が受診を考え始める、切り替わりのタイミングも見えてきます。

Q. 生活者理解にはどんなフレームワークやツールを使えばいいですか?

ペルソナ、カスタマージャーニー、セグメンテーションといった考え方が基本になります。そこにパスファインダーのような検索データのツールを組み合わせると、実際に調べられた「症状の言葉」をもとに、それぞれの精度を高められます。

Q. AIや検索データは生活者理解にどう活かせますか?

検索データは「実際に調べられた言葉」という事実にもとづくため、AIによる分析の根拠がはっきりします。症状の言葉のまとまりや、症状が起きた場面を整理し、施策のヒントまで一気に導けます。数値の裏づけがあるぶん、的外れな推測になりにくいのも利点です。

Q. 競合との比較にも使えますか?

使えます。同じ症状領域で、競合ブランドと自社がそれぞれどんな言葉で調べられているかを比べると、生活者の頭の中での位置づけが見えてきます。競合がまだ接点を持てていない症状の言葉を見つければ、新しい訴求のヒントにもつながります。


まとめ

ヘルスケア領域のターゲット理解では、病名や商品名だけを見ていても、生活者の実態を十分に捉えることはできません。 生活者は最初から正しい病名を知っているわけではなく、「どこが痛いのか」「どのような違和感があるのか」「どの場面で症状が出るのか」といった、自分の身体感覚に近い言葉で調べ始めています。

ヘルスケア領域のターゲット理解では、病名や商品名だけを見ていても、生活者の実態を十分に捉えることはできません。 生活者は最初から正しい病名を知っているわけではなく、「どこが痛いのか」「どのような違和感があるのか」「どの場面で症状が出るのか」といった、自分の身体感覚に近い言葉で調べ始めています。

TFCC損傷では手首の違和感から、呑気症では喉や胃の不快感から、生活者は症状の言葉を入口に情報を探し、やがて病名や対処法へとたどり着きます。この流れには、診断前の不安、受診を迷う気持ち、セルフケアで何とかしたい思いなど、通常の調査では集まりにくい本音が表れています。

パスファインダーを活用すれば、こうした症状から始まる調べ方の流れを見える化し、生活者がどの言葉から調べ始め、どの段階で何を求めているのかを把握できます。ヘルスケアマーケティングにおいて大切なのは、企業側の専門用語ではなく、生活者が実際に使っている「症状の言葉」からターゲットを理解することです。