カスタマージャーニーマップを作っても「どの記事を優先すべきか分からない」「キーワード選定が属人的になってしまい、成果につながらない」といった悩みを抱えていませんか?
コンテンツマーケティングで成果を出すには、顧客が認知から購買に至るまでの“検索行動”=検索ジャーニーを正しく捉え、戦略的にコンテンツを配置することが不可欠です。
本記事では、検索ジャーニーの基本とコンテンツ企画への活用方法、そしてリサーチデータに基づいた優先順位のつけ方までを体系的に解説します。
検索ジャーニーとは?カスタマージャーニーとの違い
検索ジャーニーとは、ユーザーが目的を達成するまでにたどる「検索による意思決定のプロセス」です。
検索行動は、単なるキーワード入力ではなく、目的達成までの一連の意思決定プロセスと捉えるべきです。
顧客が課題に気づき、解決策を探し、課題を解決するまでの一連の検索行動を時系列・段階別に可視化したもので、検索ジャーニーを把握すれば、ユーザーの意図に即した効果的なコンテンツ戦略が設計できます。
従来のカスタマージャーニーが店頭・SNS・広告などの広範な体験を含むのに対し、検索ジャーニーは「何を、いつ、どのように検索したか」というデジタル上の行動データに絞って、顧客の本音や意図を捉えるのが特徴です。
なぜ検索ジャーニーがSEOに有効なのか?
検索意図の“時系列変化”を捉えられる
ユーザーの検索キーワードは、ジャーニーの段階ごとに変化します。
たとえば「〇〇とは」→「〇〇 おすすめ」→「△△ 口コミ」といった具合に、検索意図は徐々に具体化・深堀されていきます。
この時系列変化を把握することで、各フェーズに適した記事構成やCTAを設計しやすくなり、コンテンツ全体の一貫性と成果が高まります。
購買意欲の高いユーザーを可視化できる
検索行動は、ユーザーが自ら情報を求めている能動的な状態で発生します。つまり、広告などの受動的な接触よりも購買意欲が高い傾向があります。そのため、検索インテントに合致したコンテンツを用意することで、高いコンバージョン率を実現しやすくなります。
検索ジャーニー分析の4ステップ
ステップ1:キーワードをフェーズ別に分類する
まずは、収集した検索ワードを、ジャーニーのどのフェーズに属するか分類します。
以下は、各ジャーニーフェーズにおける検索傾向とコンテンツの役割をまとめた表です。
| ジャーニーフェーズ | 検索傾向 | コンテンツの役割 |
| 初期探索(課題認知) | 抽象的な悩み、原因追及系などのノンブランドキーワード (例:〇〇 原因、〇〇 対策) | ニーズを認識させ、自社への流入・自社製品の認知を図る。 |
| 情報探索(興味・関心) | 解決策の模索、特定のブランドや商品名の検索 (例:△△ おすすめ、△△ 種類) | 解決策や選択肢を提示する。 |
| 経験探索(比較・検討) | 比較、口コミ系 (例:A社 B社 どっち、△△ レビュー) | レビュー等を活用し、自社商品の優位性を訴求する。 |
| 購入確定(購入) | 購入時期や購入場所 (例:商品名+最安値、流通名+クーポン) | ベストな条件で購入できる情報を提供し、購入を後押しする。 |
ステップ2:検索行動の流れをマッピングする
ユーザーがどのように検索ワードを変化させていくかを分析し、検索ジャーニーマップとして可視化します。
例:「脱毛 痛み」→「医療脱毛 おすすめ」→「◯◯クリニック 口コミ」
この流れを掴むことで、離脱フェーズや競合流出ポイントを把握し、対策記事を企画できます。
ステップ3:競合カバー状況を調査する
各段階の消費者のニーズに対して競合がどれだけ応えられているかを把握しなければ、コンテンツ企画の優先順位は立てられません。
・カバー率:競合が各フェーズでどれだけコンテンツを揃えているか
・検索シェア:ターゲットキーワード群での自社順位や流入数
これにより「競合が弱い領域」「未対応のキーワード」が明らかになり、狙うべき記事テーマが見えてきます。
ステップ4:ジャーニー上の“穴”にコンテンツを配置する
ステップ1~3で得られた各フェーズの情報と競合分析を統合して、ジャーニーマップに自社・他社の未対応領域=穴を明示し、適切なフォーマットで記事を作成します。
例:経験探索フェーズに詳細な比較表やレビューまとめなどを補完、特定の成分や技術に関する説明コンテンツを作成
このフローに沿って、検索ジャーニーの全フェーズで自社のコンテンツが上位表示されるように、コンテンツを発行していきます。検索結果画面の構成や順位は随時アップデートされるので、コンテンツ発行後も表示順位を確認し、リライトを行い、上位表示を狙いましょう。
リスニングマインドで検索ジャーニーを可視化し、SEOコンテンツを設計する4ステップ
検索キーワードや検索結果画面は膨大にあり、検索ジャーニーを手作業で設計するには時間も労力もかかります。
リスニングマインドの新機能であるジャーニーファインダーと従来の機能を掛け合わせることで、この分析を自動化し、最短でコンテンツ戦略を立案できます。
ステップ1:ジャーニーファインダーで検索ジャーニー全体を自動生成

キーワードを入力するだけで、関連検索語を瞬時に収集・分類し、顧客がどのように情報を探索し、購入を決定するのかを自動で可視化します。各段階のキーワードだけでなく、各段階の検索量も表示されるので、定量的にも把握することができます。
ステップ2:ドメイン表示機能でフェーズ別に競合の強み・弱みを分析

ジャニーファインダー内のドメイン表示フィルターを使うことで、各フェーズにおける自社と競合の検索上位シェア状況を視覚的に確認できます。自社が弱いフェーズやトピックを素早く把握できます。
ステップ3:パスファインダーで前後の検索行動を把握

パスファインダーでターゲットキーワードの前後の検索経路を把握することで、検索インテントの連続性を捉えやすくなり、離脱防止や上位表示にも役立ちます。消費者の質問を先読みし、次に質問する内容まで1つのコンテンツに含めることができるということです。
ステップ4:上位コンテンツ機能でコンテンツ傾向を分析し、勝ち筋を見極める

コンテンツを上位表示させるには、そのキーワードで現在Googleが何を評価しているか、つまり検索結果(SERP)の傾向を理解することが不可欠です。上位コンテンツ分析機能を使うことで、この作業を手作業でする必要がなくなりコンテンツ分析・企画の時間を短縮してくれます。
戦略的な優先順位付けと既存コンテンツの改善
コンテンツ制作の優先順位は、作りやすさや思いつきで決めるべきではありません。検索ジャーニー上の“穴”を見つけ、さらに以下の3つの観点から優先順位をつけることで、投資対効果の高い企画を実現できます。
| 評価基準 | 内容(何をチェックするか) | 狙う効果 |
|---|---|---|
| 検索ボリューム | そのトピックの検索市場規模。 (どれだけ読者がいるか) | リーチの最大化 |
| 競合性/難易度 | 上位表示の難しさ。 (競合が強いか、まだ穴があるか) | 上位獲得の確実性 |
| ビジネス貢献度 | そのトピックがCV(売上)にどれだけ近いか。 | 収益への直結度 |
また、新しいコンテンツの発行だけでなく、既存のコンテンツが検索ジャーニーのどこに位置づけられ、どれだけトラフィックに貢献しているのかをチェックし、改善していく必要があります。
・トラフィックが発生していないコンテンツ:順位が低いコンテンツは、上位表示されている競合コンテンツや検索経路を分析し、内容を補強するなど、検索意図に合わせた徹底的なリライトで改善します。
・顧客の流れを堰き止めるコンテンツ:経験探索フェーズ(比較・検討段階)などで、次の行動に繋がらず顧客を離脱させているコンテンツは、CTA(行動喚起)や内部リンクの見直しで再設計します。
まとめ:検索ジャーニーに基づくSEO戦略で“確実に成果を出す”
検索ジャーニーの理解と活用は、単なるキーワード選定では捉えきれない“顧客の思考と行動”を軸にした、戦略的なコンテンツマーケティングを可能にします。検索データという消費者の生の声に基づいて戦略を構築すれば、情報を求めているユーザー、自社の潜在顧客に必要なコンテンツを届けることができます。
自社商品の検索ジャーニーをリスニングマインドで作ってみませんか?
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