「ダイエット」の検索は、いまどんな“欲望”を映しているのか?
薄着の季節が近づくにつれ、「ダイエット」関連の検索が急増しています。しかし、ひと口にダイエットといっても、求められる手法や情報のスタイルは年々多様化。今や検索行動そのものが、消費者の価値観や悩みを如実に映し出す鏡となっています。
本記事では、検索データから可視化された“ダイエット意識の今”を、ListeningMindのインテントレポートから抜粋してお届けします。
点:検索急上昇ワードから見る「リアルな欲望」
ダイエットに関連する検索キーワードは、およそ18万7千件にのぼり、それらをグループ化したトピック数は約7万4千件。月間の検索ボリュームは1,811万回、年間では実に2億3千万回を超えています。検索数全体はやや減少傾向にあるものの、市場規模としては依然として圧倒的で、「ダイエット」は一過性ではない“持続的な関心”の対象であることが読み取れます。

こうした中、検索ボリュームが急増したのが「マンジャロ ダイエット」。糖尿病治療薬として開発されたチルゼパチド(商品名:マンジャロ)が、短期間での減量効果で注目され、ダイエット目的での検索が1ヶ月で2万4,500件以上も増加しました。
加えて、「ジャンプ ダイエット」「ジム ダイエット」など、“短時間かつ即効性”を感じさせるワードも同時に上昇する一方、「ダイエット ダンス」など一時的な流行に関するキーワードは検索数が大きく減少。消費者の意識が“ブーム”から“成果”へと移り変わっていることが明らかです。
マンジャロのように、医薬品領域から流入する新たなトピックが、検索という入口を通じて急速に拡散されている構図は、これからのマーケティング戦略にも大きな示唆を与えてくれます。
線:検索経路に見る「購入直前の心理変化」

「ダイエット プログラム」に関する検索では、最も安定して高い検索量を維持しているのが「方法」「プログラム」に関連するワードです。ユーザーは単なる存在確認ではなく、“自分に合うかどうか”を判断するための、より実践的・具体的な情報を求めて検索を行っています。
検索経路には、
- 「noshの食事内容は?」
- 「短期集中プランの期間は?」
など、サービス内容や実施方法に対する深い探索行動が見られます。
特に「nosh ダイエットプログラム」はテレビCMなどのメディア露出とも連動し、検索数が断続的に急増。さらに「オンライン ダイエット」の検索量も右肩上がりで伸びており、場所を選ばずに取り組めるプログラムへの関心が拡大しています。
現在の検索行動の中枢には、
- 「nosh」「RIZAP」などの特定ブランド
- 「短期集中」「食事管理」などの目的志向ワード
があり、ユーザーは“信頼性”と“達成可能な成果”を両立できる選択肢を求めています。
今後は、オンラインの利便性とブランドの信頼性を掛け合わせた上で、「明確かつパーソナライズされた成果」を提示できるプログラム設計が、競争力の鍵となるでしょう。
面:検索市場に広がる“インテント構造”と未開拓の接点

ダイエットサプリ市場の検索キーワードを分析すると、消費者の検索行動が大きく3つの軸で高度に細分化されていることが明らかになりました。
- ① 「脂肪燃焼」「糖質カット」といった【効果・効能】を求めるクラスター
- ② 「L-カルニチン」「ブラックジンジャー」など【成分名指し】で探すクラスター
- ③ 「40代」「内臓脂肪」といった【悩み・ターゲット】に基づくクラスター
このように、消費者は自身の目的や知識レベルに応じて異なる切り口から情報を探しており、
今後は以下のようなインテント別のコンテンツ設計が成功の鍵となります。
- 「効果別」「成分別」の網羅的まとめページで、幅広い需要に応える
- 特定の悩みやターゲット層に向けた記事から、具体的商品へ導線設計
- 「口コミ」「比較」に応えるコンテンツで、購入直前の不安を解消する
このような“検索クラスター設計”を前提としたコンテンツ戦略が、サプリ選定の最終判断に大きな影響を与えるようになっています。
ダイエットサプリおける未開拓なCEPの発見

ダイエットサプリは、運動前や食後といった典型的なシーンに限らず、日常の多様なタイミングで検討・摂取されていることがわかりました。
例えば、検索前・中・後に見られたキーワードは以下の通りです。
- 前:「寝る前」「運動前」「食べ放題の前」「外食前」「甘いものを食べる前」など
- 中:「授乳中」「子育て中」「脂肪燃焼」「旅⾏中」「スイーツ」など
- 後:「食べ過ぎた後」「運動後」「月曜断食やめた後」「骨折後」など
これらはすべて、“日常の中のきっかけ”としてダイエットサプリを選択する消費者のリアルな瞬間です。
つまり、検索者は「明日から頑張る」ではなく、“今このタイミングで飲みたい”という意識で検索しているということ。
これらの未開拓なCEP(Category Entry Point)を捉えることで、広告訴求やLP設計の新たな接点創出が可能になります。
このほかにもレポートでは、
「ダイエット中に選ばれる食材やレシピ」「お腹・足・二の腕など部位別の悩み」「筋トレ・ストレッチ・ファスティング」などの手法比較に加え、「ヘルシー」「糖質」「タンパク質」といった健康志向型のキーワードへの関心の移行や、「#留学中 ダイエット」に代表されるような、ダイエットを起点とした生活全般への心理的影響まで――
点・線・面それぞれの視点から、多様な消費者の“ダイエットインテント”が細やかに可視化されています。

たとえば、「寿司 ダイエット」「ヘルシー外食 ディナー」「ダイエット OK 外食店 東京」など、実際に“どこで何を食べるか”を探す検索も多数見られました。
消費者は、カロリーや栄養を意識しながらも、味や満足感を妥協せず楽しめる選択肢を求めており、
その行動の背景には、単なる健康志向を超えた「ライフスタイルの最適化」への意識変化が見て取れます。
このように、点・線・面のそれぞれから検索データを読み解くことで、
顕在化しづらいニーズや、未開拓な接点(CEP)が次々と浮かび上がってきます。
より詳しい分析とマーケティング活用のヒントは、下記レポートよりご確認ください。