“海外サプリ”は、誰に・どんな目的で・どのようなタイミングで検索されているのでしょうか?
日本国内では、海外製サプリへの注目が高まり、iHerbなどを通じた個人輸入が一般化しています。一方、韓国では、日本旅行中に美容・健康系サプリを購入するニーズが強く、日本製サプリへの関心が高まっています。
本記事では、検索データをもとに、日本国内と海外双方の視点から“サプリメントの越境ニーズ”を分析。その実態と、マーケティングへの活かし方を紐解きます。
*本記事はインテントデータレポート「検索データで読み解く日本のサプリメント市場」の一部を抜粋して作成しております。レポートはこちらからご確認ください。
日本で高まる海外サプリへの関心とその背景

検索データの分析から、日本国内において海外製サプリメントへの関心が着実に高まっていることが確認されました。ペルソナビュー分析では、 「海外サプリ購入と製造情報」グループが大きなボリュームを持っており、情報収集への積極性が見て取れます。
なかでも注目すべきは、“韓国 サプリ”に関する月間検索数が平均17,440件と高水準で推移しており、韓国製サプリを探すユーザーの関心は「ダイエット・痩せる・美肌」といった美容ニーズに集中しています。美容効果に敏感な層が、国内製品だけでなく海外製にも目を向け始めている実態がうかがえます。
海外サプリに関する意識調査の例(20〜50代対象)
- 海外製サプリメントを利用したことがありますか?(はい・いいえ)
- 英語表記のサプリメントについてどう思いますか?(選択肢:信頼できる・不安がある・気にしない)
- 海外製品の購入意欲はどの程度ありますか?(5段階評価)
海外サプリの検索行動と想起されるブランド

検索ワード“海外サプリ おすすめ”から派生する検索経路を分析したところ、「アメリカ ビタミン」「iHerb プロテイン」「高配合 海外ブランド」などが多く検索されており、特に“ビタミン・アミノ酸系の海外サプリ”に対する高い関心が見られました。また、美容やダイエットを目的とした若年層から、健康維持を意識する中高年層まで、幅広い年代に支持されており、世代ごとに異なる目的で海外サプリが選ばれていることが読み取れます。
個人輸入チャネルは iHerb を中心に構築

検索データからは、iHerbをはじめとする海外通販サイト、オオサカ堂、Amazon海外版などが個人輸入の主要チャネルとなっており、日本国内でもこうした流通経路がすでに定着していることがわかります。
検索データから導かれるマーケティングインサイト
- 国内でも海外サプリへの関心は広がっており、ユーザー層は多様化
- iHerbを中心とした個人輸入チャネルが確立されており、オンライン戦略が鍵
- 「信頼できるブランドか」「成分情報が明確か」といった安全性・透明性が選定基準に
- 高配合・独自成分といった“海外ブランドらしさ”が、国内ブランドとの差別化ポイントに
韓国旅行者にとっての“日本サプリ”の魅力とは?
一方、日本製サプリメントに対する海外ユーザーの関心を見てみると、特に韓国からの検索行動に特徴的な傾向が見られます。

韓国では、“日本の薬やサプリに関連する検索が月間9万回以上行われており、強い関心の高さがうかがえます。
特に注目されているのは、ダイエット・美白・美容・健康(肝臓・鼻炎・目・爪など)といったカテゴリで、日本の製品が“効果が期待できる”という印象で捉えられていることが分かります。
「通販」ではなく「旅行中に買いたい」ニーズが中心

前後に検索されているキーワードを収集分析した結果、多くの検索が個人輸入や通販ではなく、日本旅行中の購入を前提としていることが明らかになりました。「ドラッグストア」「ドン・キホーテ」などの実店舗に関する情報が多く検索されており、訪日中の購買計画に日本製サプリが組み込まれていることが読み取れます。
また、韓国の検索ユーザーは「必ず 買うべき」「必須アイテム」などの強調語を多用する傾向があり、購入意欲の高さと目的意識の強さが際立っています。
マーケティングインサイト
- 韓国旅行者(特に女性)は、日本旅行時に健康・美容系サプリを購入する意欲が高い
- ドン・キホーテなど特定の実店舗への信頼度が高く、店頭限定パッケージやセット販売が効果的
- 美容・健康・ダイエット・体調管理など幅広いニーズが存在し、商品ジャンルごとの訴求戦略が必要
- 日本国内と共通する“美容・ダイエット”目的が主軸となっており、日韓連動施策の可能性も高い
韓国での“日本の薬”への検索ニーズとは?

“サプリメント”とは異なり、“薬”というキーワードで検索された場合には、日本製医薬品を個人輸入したいというニーズが強く見られることが分かりました。
検索データでは、特に肝臓ケアやダイエットに関連する日本製薬品・栄養補助食品が注目されており、「日本肝臓薬」「日本ダイエット薬 おすすめ」など、具体的な製品を探す取引型の検索も5%以上を占めています。これは、検索が単なる情報収集ではなく、購入を前提とした行動に繋がっていることを示しています。
また、検索キーワードには、「日本薬 直送サイト」「日本ドラッグストア おすすめ品」など、信頼できる購入ルートに関する内容が多く見られました。これは、購入のハードルとなる不安感を軽減し、信頼性のあるECサイトや販売チャネルの存在が、購入意欲に大きく影響していることを意味します。
マーケティングインサイト
- 日本製薬品への海外ニーズは、「個人輸入ニーズ」と「健康特化型製品」への関心が主軸
- 注目されるカテゴリは、肝臓ケア・ダイエット系で、悩みに直結した効果を求める検索が多い
- 特に50代女性が主要ターゲット層として想定され、年代に応じた商品開発が重要
- 直送サイトやドラッグストア限定商品など、チャネル戦略やパッケージ訴求が差別化のカギとなる
まとめ
検索データからは、日本国内における海外製サプリへの関心の高まりと、海外(特に韓国)における日本製サプリ・医薬品への期待が明らかになりました。
こうしたデータからは、「どのような課題意識を持つユーザーに、どんなチャネルで、どのポイントを訴求すべきか」という越境マーケティング設計のヒントが得られます。
検索データを活用し、自社ブランドが“国内外で想起される瞬間”を見つけてみませんか?
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