[レポート]検索データが示す日本のサプリ市場|免疫力サプリへの関心とは?

現代生活における健康管理の手段として、サプリメントが挙げられます。
単なる一時的なブームではなく、日常生活における健康維持や美容、体調管理のために、生活者が自然に取り入れる行動として定着しつつあります。

本記事では、こうした日常的な栄養補助サプリから免疫力サプリまでのトレンドを検索データから見つけ、マーケティングに活かせる示唆を探ります。

*本記事はインテントデータレポート「検索データで読み解く日本のサプリメント市場」の一部を抜粋して作成しております。レポートはこちらからご確認ください。

“サプリ”市場の全体的な検索トレンドは?

検索規模の分析

検索データをもとに分析したところ、サプリメント関連の検索は年間約8,500万回、直近3ヶ月の月平均検索量は約735万回と、消費者の関心の高さがうかがえます。

消費者の関心トピック分析

消費者の関心トピックを分析すると、成分では基本的な栄養素であるビタミン(約44万)、亜鉛(約26万)、葉酸(約14万)が上位にあり、日常的な健康維持の手段としてサプリを取り入れている傾向が見られます。サプリを探す背景となる悩みでは、「ダイエット、免疫力、疲労回復」が上位を占めており、特にダイエット目的での検索が圧倒的に多く、情報探索行動の活発さが際立っています。

また、ブランド別では「DHC」が圧倒的な検索シェアを持ち、強いブランド認知と高い信頼性を確立していることが示唆されます。検索キーワードとしては「おすすめ・ランキング・口コミ」などの比較・選定ワードが目立ち、消費者が他者の評価や実績に基づいて商品を選定している傾向も確認されます。

“サプリ”に関する消費者認識と関心

“サプリ”に関連する検索の前後文脈を分析することで、ユーザーがどのような目的や視点でサプリを探しているのかが明らかになりました。「人気 美容 サプリ比較」「DHC サプリ総合情報」、「医療機関専用サプリ・医療用健康サプリ購入」、「海外 サプリ入と安全情報」などのクラスターに分かれ、以下のような傾向が読み取れます。

  • 美容目的でサプリを探す消費者が多い
  • DHCの圧倒的な市場存在感
  • 海外サプリへの関心が高まっている*国内製品以外への関心も高まっており、情報の正確性・信頼性が選定基準になっている様子がうかがえます。
  • 医療用・高品質サプリを求める消費者 *2025年10月には高品質サプリに関する検索が急増。より効果実感の高い製品を求める動きが加速していると考えられます。

2タイプの主要ターゲットと検索傾向

サプリと高い関連性を示すユーザーを2つのグループに整理すると、美容やダイエットに関心のある若年女性層/健康への不安を抱える50歳以上の高年齢層に分かれ、これら2つの層は、サプリメントに対する関心軸が異なるだけでなく、検索に用いるキーワードの傾向にもはっきりとした違いが見られます。

  • 「サプリ」で検索する層
    • 関連検索キーワード:女性、ダイエット、美容、ビタミン など
    • 特徴:美容・健康志向が強く、ライフスタイルに基づいた情報収集を行う
  • 「健康補助食品」で検索する層
    • 関連検索キーワード:食材、栄養、機能性 など
    • 特徴:健康維持や疾病予防に関心が高く、実用的な情報を重視

このような検索行動の違いから、ターゲット層に応じたワード・表現の使い分けがマーケティング施策の効果向上につながることがわかります。

免疫力関連のサプリ検索トレンド

“サプリ”関連の検索において、免疫力と関連する「免疫力アップサプリ」の検索が急増していため、免疫関連のキーワードを分析しみました。その結果、下記のようなことが見られました。

  • 免疫ケアに関するトレンド
    人気トレンド:キリンの免疫ケア製品, ドリンクタイプの免疫ケア
    免疫ケアに関しては24年まで上昇傾向であったが、25年に入り減少傾向
  • 免疫×サプリに関する検索
    免疫関連の検索は季節の変わり目に検索増加が見られるが、冬限定ではない
    過去4年間のデータを確認すると、検索量は徐々に増加しており、日常的に免疫力を高めたいと考える人が増えていることが示唆される

免疫力に関する検索経路

“免疫力アップのサプリ”の前後の検索経路上には、グルタミンや免疫力を高める食材といったワードが多く見られ、サプリと食材がユーザーの頭の中で強く結びついていることが分かりました。意外なことに「風邪」との関連キーワードは少なく、日常的な体調管理や自己免疫の底上げを目的とした検索が中心となっています。
また、「簡単に免疫力を上げる食べ物・免疫力アップレシピ 人気」などの検索も多く、日常生活に取り入れやすい方法を探している傾向が顕著です。

免疫力アップのサプリに関するインサイト

“免疫力アップのサプリ”の前後に検索されているキーワードを収集・分析した結果、下記のようなインサイトが把握できました。

  • 科学的根拠の提示が差別化要素に
    • 「効果」「最強食材」「ランキング」など、検索全体の約63%が科学的・信頼性のある情報を重視するキーワードで構成されており、明確なエビデンスや根拠がサプリ選定の重要な要素となっています。
      → 成分の有効性や効果を“科学的に説明できる”訴求が求められる。
  • レシピ・食材提案との組み合わせが新たな市場機会に
    • 「免疫力アップレシピ 人気」「簡単に免疫力を上げる食べ物」など、検索の約15%は“実践的な利用方法”を求めており、食事やレシピ提案をセットにしたコミュニケーションにニーズがあります。
      → サプリ単体ではなく、食事との組み合わせやレシピを提案するサービスが消費者の関心を引きやすい。
  • 自然由来成分に対する関心の高さ
    • 食材名や自然食品と関連する検索が多数見られ、人工添加物よりも自然由来であることが選定理由となるユーザーが増加傾向にあります。
      → 原材料の「自然由来」「無添加」を強調した免疫力強化商品は市場で受け入れられやすい。

免疫力とグルタミンの関係

“免疫力アップのサプリ”の検索経路から、グルタミンと免疫力が消費者の頭の中で強く結びついていることが分かりました。更に“グルタミン サプリメント”の前後検索経路を分析することで、消費者がどのような目的でグルタミンを探し、どのような商品・チャネルにたどり着いているのかを把握できます。
パスファインダーで分析した結果、下記のような傾向が明らかになりました。

  1. 関心:「肌」「脳」「風邪」など、グルタミンの効果に関する検索
  2. 流通:コンビニで購入できる商品への関心が高く、手軽さが重視
  3. ブランド認知:「味の素」のグルタミンサプリが想起されやすい傾向
  4. 摂取シーン:トレーニングや運動との関連性も高く、運動習慣のある層に浸透していると推測

まとめ

検索データを通して日本のサプリ市場を分析すると、サプリは一時的な健康トレンドではなく、生活者の日常行動として定着していることがわかります。美容・ダイエット志向の若年層から、健康不安を抱える高年齢層まで、目的もニーズも幅広く、市場は多様化しています。
特に“免疫力サプリ”は、季節要因に限らず継続的に関心が高まり、食材やレシピといった日常的な行動との関連が強い点が特徴的です。

検索行動から読み解くと、生活者は “証拠に基づいた安心感” と “日常で続けられる簡便さ” を求めており、ターゲット層によって使用するワードや表現も異なることが分かりました。こうしたインサイトをマーケティングに反映することで、より精緻なターゲティングと価値提供が可能になります。

サプリメント市場の消費者インサイトに関心のある方は、ぜひ以下よりレポートをダウンロードください。