インテントデータレポート:検索データ分析から見えた健康食品の消費者インサイト

今年の目標に健康やダイエット関連の目標を立てた方も多いのではないでしょうか?
健康のために運動をするだけでなく、健康な食事や健康食品(サプリメント)への興味も高まっています。
韓国では健康食品の市場規模が4年間で約27%伸びたというデータもあります。

今回はリスニングマインドで韓国の“健康食品”市場を分析してみました。
どのような悩みを持った消費者が、どのようなキーワードで検索しているのでしょうか?
本記事では検索データ分析で見えた、データインサイトの一部をご紹介します。

健康食品の人気カテゴリーTOP5

健康食品・サプリメントの種類はたくさんありますが、1番検索されているカテゴリーは何でしょうか?
“1番多く検索されている”ということは、消費者にどれだけ認知されているかだけでなく、消費者の興味・関心の度合いを把握する基準にもなります。
検索量が多かった健康食品のカテゴリーTOP5は下記の通りです。

1位:ビタミン (4,604,922)
2位:サプリメント(2,442,626)
3位:乳酸菌(2,139,163)
4位:紅参(1,258,472)
5位:コラーゲン (1,255,236)

ビタミンに関連する検索が圧倒的に多かったです。
消費者インサイトを見つけるために、ビタミン関連のキーワードをもう少し詳しく見てみました。

ビタミンdが必要な状況は?

上記のように、“ビタミンd”を検索する前には、様々な悩みと共に検索されていました。
脂肪代謝 ビタミンdや、ビタミンdインシュリン 抵抗性甲状腺機能低下症 ビタミンd3などのキーワードがありました。
このように、一緒に検索されているキーワードを見ると、消費者が具体的に何に悩んでいるのか、何を解決しようとしているのか、どのような状況なのかを知ることができます。
その他には認知しているブランド関連のキーワード(SOLGAR、メガドス、コリョウンタン等)が検索されていました。

紅参の検索量が増える時期は?

韓国の代表的な健康食品と言えば、高麗人参・紅参(ホンサム)を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
韓国ドラマにも登場する紅参ですが、韓国では親や年配の方へのプレゼントとしても人気です。
検索量の変動をグラフで見てみると、やはり1月と9月に検索量が増加していました。
旧正月や秋夕の時期(日本で言う年末年始とお盆)に、親やお世話になった方へのプレゼントとして紅参を探す傾向があることが検索データからも分かりました。

症状・部位別トピックTOP5

では、消費者はどのような症状が出た時、どの部位に異変を感じた時に、サプリメントを検索しているのでしょうか?
検索量をベースに症状・部位別トピックTOP5を見てみました。

1位:血糖(1,436,406)
2位:関節(858,768)
3位:更年期(483,520)
4位:免疫力(276,825)
5位:前立腺(263,751)

意外にも“血糖”が1番多く検索されていました。
2位の“関節”ともかなりの差があります。

血糖関連のキーワードは?

血糖関連のキーワードを見てみると、血糖測定器空腹 血統数値などがあり、若い人にも多いと言われている血糖値スパイクの検索量も多かったです

グラフを見ると“血糖 乳酸菌”(紫の線)が23年の6月に急増しています。
5月に韓国初の血糖 乳酸菌が販売されたことから、関連キーワードの検索が増えていました。
新しいカテゴリーの商品でしたが、販売開始から認知までにそこまで時間がかからなかったことが分かります。

免疫力を高めるサプリを探すタイミングは?

一般的にどのような時に“免疫力”が低下したと感じ、情報を収集しているのでしょうか?
“免疫力を高めるサプリ”の前後に検索されているキーワードから、状況を把握してみました。

このように“免疫力を高めるサプリ”を検索する人は、一般的に急激な体力の低下やひどい疲労感を感じる、すぐ疲れる等の症状が出てから検索を始めているようです。(左の図)
さらに“疲労感”に焦点を当て、前後のキーワードを細かく見てると、“疲労感”を認識した後の様々な状況が見えました。(右の図)
“気力回復”“無気力症”“慢性疲労症候群”などがクラスターとして出来上がり、その中には“朝起きるのが辛い”“食べて眠たくなったら”などの具体的なキーワードがありました。

もっと多くの消費者インサイトを知りたい方!

このように、1つのカテゴリーやキーワードでも、その裏にある消費者の欲望と意図は様々です。
消費者のインサイトを理解することが、顧客理解の第一歩と言えます。
商品を販売する時も商品の機能・特徴を一方的に並べるのではなく、消費者の悩みや意図をベースに訴求すること、様々なタイミングで顧客との接点を作ることも重要です。

消費者の悩みや欲望が含まれた【検索データ分析】から、様々な消費者インサイトを得て、顧客理解が深まるでしょう。
今回紹介した内容を含む全体のレポートに興味がある方は下記の【レポートダウンロード】 ボタンからレポートをダウンロードし、全文をチェックしてみてください。

Related

検索データで見る電子レンジ

皆さんは、家に必ずあるべき家電は何だと思いますか?冷蔵庫やIHクッキングヒーター、テレビなど多くの選択肢がありますが、電子レンジも欠かせない家電の一つだと思います。 一人暮らしの増加や手軽に食事を済ませたいというニーズの高まりにより、電子レンジは私たちの生活にとって重要な家電となりました。それでは、電子レンジを検索する人々は、どのような意図で検索しているのか、見てみましょう。 まず、電子レンジの検索推移を確認します。 キーワードは47,300件、トピックは19,091件です。最近、検索ボリュームが増えていることが分かります。特に目立つのは、毎年1月から3月にかけて検索ボリュームが増加することです。これは引越しシーズンに伴い、電子レンジの需要が高まるためだと推測されます。 検索ワードをよく見ると、【対象キーワード】と【意図キーワード】に分けることができます。 例えば、カレーを検索する人がいる場合、カレーとレシピを検索する人はカレーを作ろうとしていることが分かります。一方、カレーと新宿を検索する人は、新宿でカレーを食べようとしている意図があると考えられます。 では、電子レンジを検索している人々の検索意図は何でしょうか。 意図によってトピックを以下の3つのグループに分けられます。 1. 活用している方 2. 購入を考えている方 3. 安全と管理を考えている方 1. 活用している方 2. 購入を考えている方 3. 安全と管理を考えている方  活用している方 まず、活用を考えているグループについて見てみましょう。 このグループは「作り方」や「レシピ」など、電子レンジを活用して料理をするために検索しています。電子レンジを単純に温めるだけの機能を超えて、調理のツールとして利用しているのです。 検索ボリュームが一番多かった「ホットケーキミックス」に関連するキーワードを見てみました。 ホットケーキミックスの関連キーワード 単純にホットケーキを電子レンジで作ることではなく、蒸しパンを作ったり、アイスクリーム「スーパーカップ」を活用してカップケーキとかの創造的なレシピキーワードが登場しています。 購入を考えている方 「おすすめ」「安い」あるいは「パナソニック」「日立」などのキーワードを検索している方は、購入の意図を持っていると言えます。購入を検討している方は、どの電子レンジが自分に適しているのかを探しているのです。 特定のキーワードを検索する前後に一緒に検索されたキーワードを最大1万個まで表示するクラスタファインダーで確認したところ、以下の特性が分かりました。 クラスタファインダーで見た購入を考えている方の特性 ①オーブンレンジとの比較   オーブンレンジやスチームオーブンレンジが一緒に検索されていることから、単純な電子レンジ機能を超えた製品と比較して悩んでいる方が多いことが分かります。 ②単機能の安い製品   オーブンレンジと比較するグループとは対照的に、単機能の安価な電子レンジを探しているグループも確認できます。 ③寿命 電子レンジの寿命に関するキーワードも多くみられました。また、「電子レンジ 買い替え時期」のキーワードと「電子レンジ異音故障」クラスターも確認できましたが、それで、長持ち電子レンジを探してる方もいますが、電子レンジが壊れて切り替えしに検索している方もいるのを確認できました。 ④ブランド名   パナソニック、シャープ、日立などのブランド名が検索されていますが、インテントファインダーでは見られなかったバルミューダも登場しました。ブランド名+製品の形の検索ワードの中で、バルミューダレンジは38,033件で、他の「日立 オーブンレンジ(29,100件)」や「シャープ...

Listening Mind導入で顧客理解を深化 – MXN JAPAN 導入事例

株式会社アセントネットワークスが自社で提供するデスクサーチツール「Listening Mind(リスニングマインド)」を導入した株式会社MXN JAPANの依田様に、活用法などをインタビューしました。   ―本日はよろしくお願いします。まず御社について、それから依田様について教えてください。 僕が執行役員でして、会社でやっている4つの事業のうち3つの業務に携わらせてもらっています。その中でも、今大きく成長していっているのが、運営代行の業務になります。   主に韓国のクライアントさんなのですが、日本が今結構熱い市場として見られていて、 日本に展開したいっていうブランドさんは多いですね。   ―ありがとうございます。運営代行の業務は、具体的にどのようなことをされていますか?   日本で展開するときのデジタルマーケティング(サイトの構築・サイトの運用・SEOコンテンツ)とオフラインマーケティング(展示会・ポップアップ・ローンチパーティー)を一通りこちらでプランニングして実行するのが主軸の事業になっています。   ―コンテンツも作られているんですか? SEOをカバーしたブログ記事の形式でテキストコンテンツを作成しています。あとは、ブランドさんから質の良い撮影写真や、芸能関係の話題などの依頼がきます。   それをインスタやサイト内に展開したり、ときには1つホームページやメディアサイトを自分たちで作って、そこで展開してアクセスを流し込むというのもやっています。   ―リスニングマインドを導入してどうでしたか? 僕とかオフラインの担当者が、もうめちゃめちゃ長い期間使わせていただいています。これから日本に流行らせていかないといけないブランドさんが大体8割9割くらいで、既に日本ですごい認知があって、もう待望の日本進出っていうブランドさんが大体1割くらいなんです。   これからブランディングを日本でしていかないといけないなかで、広告をたくさん回すと効果が見えにくいじゃないですか。   効果が出るまで期間も長いですし、一時的に取ってみてもわからないですし。そこを数値化したいっていうのが、一つポイントだったかなと思っています。その点でいうと、ブランドマーケティングをした結果、インテントファインダーの検索ボリュームやキーワード数、あとはクラスターファインダーの内容の変移が数字としてわかるので、   「こういうキーワードが生まれました」 「コンテンツで、こういうキーワードをカバーできるようになりました」 「ほかのとこに勝てそうです」 そういった話ができるのが、一つ大きかったかなって僕は思っています。   ―リスニングマインドで見たデータをもとに、御社で活用していることを教えてください。 大きく分けると、3つあります。 1つ目はターゲティング。ターゲットを決めて、全体のマーケティングプランを作るときに使いました。 2つ目は、足りてないコンテンツを作るために使っています。 3つ目は、Google AdWordsの、キーワード設定を作るときに使っています。   ―足りてないコンテンツとは何ですか? お客さんが実際に悩んでいるポイントみたいな。 ユーザーが求めていることや質問に答えてあげるっていうものを作っています。   ―リスニングマインドを導入する以前は、プロジェクトを遂行するうえで苦労した点や課題点などはありましたか? プロジェクトは、ブランドさんごとにマーケティングプランを作っていくので、それぞれ分かれちゃっているのですけど。共通しているのが、さっきのブランディングをしたときの効果が見えないっていうところですね。   もう1つは、プロジェクトのスタート段階でマーケティングプランを作るときに、1番初めにターゲティングが一番大事だと思っていて。 商品理解をしたうえでターゲティングをするときに、   「どこに攻めていくか」 「どのキーワードを取っていくべきなのか」 「どういうキーワードで攻略していくべきなのか」 みたいなのを軸に考えていたのですけど、そのときに今まではほとんど仮説で動かないといけなくて。   あとは、一部FGI(フォーカスグループインタビュー)みたいなのをおこなって、多分こういうのがペルソナなんじゃないかみたいな話をしながら、その人たちにインタビューしてみたいなことをやっていました。   ―そのような効果と成果が出せたというところで、リスニングマインドを導入したからこそできたことなど、何か違いはありましたか? 違いは、これまで仮説だったのものから、数字の根拠が作れるようになったということです。実際に検索しているキーワードがわかるようになったことで、尚のこと正解に近いんじゃないかなって思っていて。   ブランドに関連した検索ワードを大体第3レイヤーくらいまで引き上げると、めちゃめちゃ広がって出てくるじゃないですか。   そうすると、例えばコスメとかだと1つブランドがあったとして、世の中の日本の人たちが今どういうブランドとして見ているのかわかるんです。   「化粧品として見ているか」 「コスメとして見ているのか」 「ファンデーションを使っているのか」 「メイクなのか、リップなのか」   というのが1つわかって。 その次のレイヤーにいくと、「そこの競合はどこなのか」「そういう人たちが何を悩んでいるのか」とか。   例えば、クッションファンデのあとに何を塗るっていう検索が実際されているとかだと、悩んでいる人にこの商品はハマるのかというのを想定してコンテンツを作ったり、こっちのほうの人たちに向けたマーケティングをしていこうであったり、そういう使い方をしています。   ―最後に、今後御社にとっての展望や、やっていきたいことがありましたら教えてください。 あらゆるカテゴリーやブランドさんに対して、適切なマーケティングミックスを立てて、ブランドと一緒に実行していくっていうありきたりな話になっちゃうかなと。   その繰り返しが、結局実績になって、会社を大きくしていくのかなって思っています。僕もずっと数字畑で、ツールやマニュアル作ったりデジタルで生きている人間なので、そういう人は、何か大きな展望とか野望とかはなくて、こういう地道な積み重ねをしていくべきなのかなって思っています。   ―本日はありがとうございました。

お酒・コスメ・ヘッドホンの消費者インサイト[マーケティングWeek-春2024-]

検索データから見えた、酒類・コスメ・ヘッドホン市場の消費者の欲望、悩み、インテントをご紹介します。

日本最大級のマーケティング総合展示会「マーケティングWeek(春)」に初出展しました。

2024年4月17日(水)~19日(金)に開催された「マーケティングWeek(春)」に出展しました。ブースでの様子をご紹介します。

マーケターにリスニングマインドが必要な理由

マーケティング環境が変化する中、リスニングマインドが企業にとって、マーケターにとってどのようなツールなのか、活用事例と共にご紹介します。