リスニングマインドとは、消費者が日常の生活において、どのように情報を探索しているかについて分析し、その行動と動機を分析・可視化することで、デジタル戦略の策定やマーケティングリサーチを強化する先進的なデスクサーチツールです。
この記事では、こうしたリスニングマインドが企業の皆様にどのように活用されているのかについて、弊社のアナリストが、実際の事例をご紹介します。
顧客の今までの取り組みを超える、新たな視点を提供できるか?
弊社のクライアントの中には大手広告代理店もいらっしゃいます。
大手広告代理店での主な業務は、顧客のマーケティング支援です。
彼らは顧客のマーケティング戦略の方向性を決めるのに新しい手法を求めており、このためのツールやサービスを探していました。
リスニングマインドを知っていただいたのは、ある展示会で、クライアントがブースを訪れてくださったことがきっかけです。特に興味を持たれたのは、リスニングマインドの「パスファインダー」という機能。
この機能は、消費者のインターネット上の検索行動の「経路」を分析し、それに基づいて消費者の意図や動機(インテント)を明らかにするものです。
(リスニングマインドのパスファインダーの画面)
クライアントは、既に他社のネットマーケティングツールをたくさん体験されておりました。
キーワード分析は、オンラインマーケティングの戦略策定において基本的な作業であり、ユーザーがどのような言葉やフレーズで情報を検索しているかを特定するプロセスです。
一般的なツールでは、検索された語彙を被検索量の多さに基づいてソートし、その語彙の重要度を決定しています。その後、その重要度を基にして消費者のインテントを読み取るわけです。
つまり、どのキーワードがよく検索されているかを基に、それが何を意味するのかを推測するアプローチであり、いわば、どのように解釈するか担当者の勘に頼っているとも言えます。
これに対しリスニングマインドのパスファインダーは、検索されるキーワードの単なる「量」ではなく、それらのキーワードがどのような「経路」や「関連性」を持って検索されているのかを直接分析します。
つまり語彙の間の経路を解析することで、それぞれの経路が示す独自のインテントを発見することができるということです。一般的に語彙群を一つのインテントとして解釈されることが多かったのですが、パスファインダーではそれぞれの経路ごとに異なるインテントがある、と解釈します。
そうすることで、背後にある消費者の本当の意図や動機をより正確に把握することができるわけです。
例を一つお見せしたいと思います。
メンズ用日焼け止めの検索経路です。
日焼け止め メンズの検索後には、
おすすめ・ランキングなど他者のレビューを参考にしたいユーザーと、
普段使い・毎日など、毎日使える日焼け止めを探しているユーザー、
スポーツ時に使える日焼け止めを探しているユーザーがいました。
毎日使える日焼け止めを探しているユーザーのニーズを探るため、検索後の経路を更に細かく見てみました。
毎日使える日焼け止めの中でも、【肌に優しい、ニキビ、トーンアップ、白くならない、テカらない、石鹸で落ちる、クレンジング不要】など日焼け止めに求めていることが様々であることが分かります。
パスファインダー上の結果を同じ目的別にクラスタリングできるので、分析・分類する手間も省けます。
展示会のブースでは、クライアントはこれまで使用してきたツールで抽出されたキーワード群を把握していましたが、パスファインダーの解析によって、これらのキーワードがどのように結びついているか、そしてそれぞれのキーワードが持つ意味がどれほど異なるかを可視化することができました。
この体験が、パスファインダーによる新しいアプローチに大きなインパクトと可能性を感じて頂けたようです。
この展示会での体験を経て、クライアントは所属する部署のチームの皆さんと共に、何度もリスニングマインドのラボを訪れて下さるようになりました。
私たちもリスニングマインドがどのようにしてクライアントの業務に貢献できるかについて、ディスカッションを重ねました。
こうして最終的にリスニングマインドの導入を決定いただくことができました。
リスニングマインドの導入に至った決定要因
クライアントがリスニングマインドを導入するに至った決定要因は、2つありました。
1つは、提案時のマーケティング戦略の策定の質と量の向上です。
クライアントが取り組む顧客は、既にマーケティング活動に取り組んでいます。そうした中で、新しい課題や方向性を発見し応える体制を確立するのは、かねてからの課題でした。リスニングマインドを用いれば、新しい取り組みとして、パスの提示によって新たな消費者の意図やインサイトを明らかにすることができるという、具体的な活動を導入できることへの評価が大きかったと言えます。
またAIレビュー機能も搭載されており、提案内容の品質や言語化のサポートが受けられることも高評価でした。多忙な中、多くの提案を行うためには、自動化による業務負担軽減は重要な機能です。
(AIレビューによる言語化)
総合レビューやペルソナ、広告コピーやLPの内容まで言語化して、提案してくれます。
もう1つの決定要因は、コンテンツマーケティングの促進でした。
リスニングマインドの継続的な分析機能により、消費者の行動に基づいた効果的なコンテンツ制作のサポートが行えるようになります。
これによりコンテンツ制作において、ジャストアイデアに頼ることなく、消費者のインテントに基づいたPDCAサイクルを実施することが可能となります。
これはクライアント(大手広告代理店)にとって顧客(取引先)との関係が単発ではなく、継続的に築いていけるということを意味しています。
一方的な「提案」から「共に育てていく」という関係性へのシフトが期待されました。
導入いただいてから間もないこともあり、実際の業務においての評価は、弊社からのヒアリングとサポートを続けている最中です。当初期待していた、提案力の強化、コンテンツマーケティングにおけるPDCAに実施については、実際の業務への着地を試行錯誤しながらも、実感頂いていると自負しております。
その他にも、これまでは顧客の業界に詳しい経験豊富なアナリストによる分析が必要だったものが、リスニングマインドの導入により、直接的にインテントが把握できるようになったため、クライアントのチームメンバー全員がプロジェクトを実施できるようになり、業務効率だけでなく、顧客へのインサイトセールス能力が向上した。と、いうフィードバックをいただきました。これは大変嬉しかったです。
一方で、いくつかの課題点も浮上してきました。
現行のリスニングマインドには過去のデータを直接参照する機能がないため、RAWデータを個別に提供するなどのスポット対応が必要となりました。また、一部のチームメンバーからは、分析を進める中で語彙選定、検索ワードの選定に関する迷いが生じるというフィードバックも受けており、弊社アナリストチームがサポートを行っています。
もちろん、完璧なツールは存在しません。しかし、そうした中でリスニングマインドが最適解となるよう、リスニングマインドの改善と、私たちアナリストのサポート体制を強化していきたいと考えています。
本記事の検索データは、リスニングマインドを使用して抽出されました。
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