検索データからアメリカのスキンケア市場を分析|日焼け止めの注目キーワードとは

検索データで見たアメリカのスキンケア市場

2025年上半期のアメリカ・スキンケア市場を検索データから把握するため、リスニングマインドのインテントファインダーでskincareacneface cleanser”などのスキンケア関連のノンブランドキーワードを分析しました。

その結果、56万個以上の関連キーワードが見つかり、直近3ヶ月の月間平均検索量は約2,200万回であることが分かりました。

検索量の推移を見ると、“hyperpigmentation”(色素沈着|月平均検索量583,666回)の検索が急増しています。の検索が急増しています。これはTikTok規制によるノスタルジー現象から2019年の“hyperpigmentation meme”が再燃したことによる影響と推測されます。2月以降も高い検索量を維持しています。

他にも“rosacea”(酒さ様皮膚炎|月平均368,333回)“hyaluronic acid”(ヒアルロン酸|月平均246,000回)などのキーワードが上位に見られます。

アメリカの消費者が検索しているスキンケアトピック

インテントファインダーでは、収集した関連キーワードをトピック単位でグループ化し、月平均検索量を確認することができます。
その結果、最も検索量が多かったトピックは“Sunscreen”(日焼け止め|月平均5,381,577回)であり、次に“Skin”(肌|月平均3,603,421回)、そしてスキンケア成分を指す“Acid”(酸|月平均2,549,198件)が続きました。

トピック別に見る検索トレンドと消費者インサイト

トピックをもう少し見てみると、“Sunscreen”(日焼け止め)のような製品カテゴリーだけでなく、肌の状態、スキンケア成分、使用部位、など多方面で消費者の状況やニーズを見ることができました。

その中から、以下の4つの観点で、検索量が特に多かったトピックをまとめました。

  • 成分:Retinol(レチノール|月平均1,357,686回)
  • 使用部位:Face(顔|月平均2,536,058回)
  • 評価軸:Best(最適な商品探し|月平均1,082,031回)
  • 肌状態:Rosacea(酒さ様皮膚炎|月平均1,082,031回)

製品カテゴリーTOP5

月平均検索量の多い製品カテゴリー(アイテム)は以下の通りです。

  1. Sunscreen(日焼け止め|5,354,826回)
  2. Serum(セラム/美容液|1,307,944回)
  3. Wash(Face/Body|977,523回)
  4. Cream(クリーム|554,472回)
  5. Moisturizer(保湿剤|541,823回)

この中で最も検索量が多い“Sunscreen(日焼け止め)”について、さらに詳しく分析してみました。

アメリカで最も検索されているスキンケア製品:Sunscreen(日焼け止め)

アメリカの消費者は過去12ヶ月の間に、約4,900万回以上“Sunscreen”関連のキーワードを検索していました。
製品購入時には、レビューやおすすめに対する信頼度が高く、特にMineral Sunscreen(ミネラル系日焼け止め|月平均 398,901件)への関心が目立ちます。

その他にも、
・Tinted Sunscreen(色付き日焼け止め|月平均 329,465件)
Tanning Sunscreen(日焼け用日焼け止め|月平均 200,981件)
など、さまざまなニーズごとの検索が行われています。

ブランド別に見ると、
■ グローバルブランド
Roche la Posay(ラロッシュポゼ):月平均 151,240回
Beauty of Joseon(ビューティー・オブ・ジョソン):月平均 137,738回

■ アメリカ国内ブランド
Neutrogena:月平均130,433回
EltaMD:月平均147,956回
Supergoop:月平均131,469回

であり、ラロッシュポゼや朝鮮美女などのグローバルブランドも、アメリカ国内ブランドとほぼ同水準の検索量です。グローバル×ローカルのブランド間で激しい競争が起きていることが伺えます。

消費者が日焼け止めに求める「安全性」とは?

日焼け止め関連トピックの中でも、“Safe(日焼け止めの安全性|月平均 157,042回)”の検索推移に、興味深い傾向が見られました。
それは、「肌への優しさ」よりも「海洋環境に優しいかどうか」を重視する傾向があるということです。特に“Reef Safe Sunscreen”(サンゴ礁に無害な日焼け止め|月平均 119,248回)の検索量が非常に多かったです。

この傾向の背景を探るために、パスファインダーを使って検索経路を分析しました。

検索経路から見たReef Safe Sunscreen


その結果、ユーザーは単にreef safe sunscreen(サンゴ礁に無害な日焼け止め)と検索するだけでなく、前後に

  • “hawaii sunscreen laws”(ハワイ州の日焼け止め法)
  • “approved sunscreen for hawaii”(ハワイで承認された日焼け止め)
  • “blue lizard reef safe”(ブランド名)
  • “banana boat reef safe”(ブランド名)

といった具体的な法律・ブランド・成分についても詳細に調べていることがわかりました。

【検索インサイトまとめ】アメリカの日焼け止め市場

検索量:過去12ヶ月で約4,900万回
■ 人気タイプ別検索量(平均)
Mineral:398,901回
Tinted:329,465回
Tanning:200,981回
人気ブランド(ノンブランドキーワード経由)
Roche la Posay:151,240回
EltaMD:147,956回
Beauty of Joseon:137,738回
安全性関連キーワード
Reef safe:75,000回
safe sunscreen for pregnancy(妊娠中に使える日焼け止め):13,366回

終わりに|次回は「肌状態」「成分」など別トピックを深掘り

本記事では、Intent Finderを通じてアメリカのスキンケア市場全体の検索傾向を概観し、中でも注目度の高いカテゴリ「日焼け止め(Sunscreen)」について詳細に分析しました。
次回の記事では、肌状態やスキンケア成分といった別のトピック群についてさらに深掘りしていきます。
もっと詳しいアメリカ市場データを見てみたい方は、下記より無料デモをお申し込みください。
*アメリカデータは25年7月中旬に公開予定です。

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