美容液市場を検索データから調査│注目ブランド・成分・肌悩みの傾向とは?

スキンケアの選択肢がどんどん広がり、肌悩みに合わせて“+1アイテム”を取り入れるスタイルが、多くの人に浸透しています。
そんな中でも、注目度が年々高まっているのが「美容液」カテゴリ。
化粧水・乳液だけでなく、美容液(セラム・アンプル)まで使うのが当たり前になってきました。

今回は、検索データをもとに、日本で話題のブランドや注目の成分、肌悩みの傾向を詳しく分析しました。
消費者がどんなキーワードで検索し、どんなニーズを持っているのかご紹介します。

美容液の市場状況

日本の美容液市場は、年間4,700万件以上の検索が行われる大きな関心領域へと成長しています。

美容液の中では韓国ブランドの存在感が際立っており、アヌア(Anua)やトリデン(Torriden)は2023年以降、着実に検索ボリュームを伸ばしています。
特にアヌアは2025年に入り、「美容液」に関連するキーワードにおいて指名検索数No.1を記録し、市場を牽引するブランドとなりました。一方、トリデンも安定した人気を維持しているものの、2024年末以降はアヌアとの差が徐々に拡大。ブランドごとのファン層や購買動機に違いが出始めている様子がうかがえます。

国内ブランドでは、メラノCCや肌美精といった定番商品が引き続き検索上位に登場していますが、検索数に目立った増加は見られません。その中で、2025年6月以降に検索数を急伸させたのが新興ブランド「カタン(KATAN)」です。

「カタン美容液」の話題化がブランド全体の検索拡大に寄与

カタンというブランド自体は、美容液の登場以前からクレンジングバームなどを通じて一部で検索されていたものの、当時は限定的な関心にとどまっていました。しかし、CICA導入美容液の話題化をきっかけにSNSや口コミで注目が集まり、「カタン」ブランド全体への関心も急拡大しています。

注目すべきは、同じ商品に関する検索キーワードが多様であり、それぞれが異なるユーザー認知フェーズを示している点です。

  • 「カタン 美容液」:ブランド名+カテゴリでの一般的な認知
  • 「katan ニードルショット」:ブランドと共に機能訴求(導入針)への関心
  • 「カタン ダーマヒットセラム」:商品名での具体的な指名検索

このように、検索語の選び方からユーザーの関心段階や目的の違いが読み取れます

検索トピックTOP5から見る注目ブランド・成分・肌悩みの傾向

直近3か月間で検索されたトピックTOP5から見えてきた、美容液市場における注目ブランド・成分・肌悩みの傾向は下記の通りです。

ブランド成分悩み
アヌア/anua
(158,524)
ビタミン(c)
(112,883)
毛穴
(144,145)
コスメデコルテ
(118,719)
レチノール
(54,897)
シミ
(83,018)
カタン/katan
(87,107)
シカ/CICA
(47,987)
ニキビ
(33,029)
トリデン/ torriden
(64,550)
PDRN
(21,599)
ニキビ跡
(32,154)
メディキューブ
(59,246)
アゼライン酸
(21.235)
シワ
(20,940)

韓国ブランドの優位性と、日本ブランドの健闘

直近3か月の検索トピックランキングを見ると、アヌア、トリデン、メディキューブなど韓国ブランドが上位を占めており、依然として強い影響力を持っています。
一方で、コスメデコルテやカタンといった日本ブランドも存在感を高めており、特にコスメデコルテは2025年5月発売の毛穴美容液が話題となり、検索数が急上昇しました

成分では「ビタミンC」が圧倒的。CICAやレチノールも上昇

検索されている成分では、ビタミンCがダントツの1位となっています。毛穴・くすみケアの定番成分として、高い支持を集めています。続いて、レチノールはエイジングケア成分として安定した人気を保っており、さらにCICA(シカ)やPDRN、アゼライン酸といった新興成分も着実に検索数を伸ばしています。

これにより、「成分ベースでスキンケアを選ぶ」ユーザー傾向が強まっていることが見て取れます。

肌悩みでは「毛穴」が圧倒的1位

肌悩みに関する検索では、「毛穴」(144,145件)が圧倒的に多く、2位以下の「シミ」「ニキビ」「ニキビ跡」「シワ」に大きく差をつけています。

また、「毛穴」対策に関連する成分(ビタミンC・レチノール・CICAなど)も検索上位にランクインしており、ユーザーが“悩みに対応する成分”を認識した上で検索している様子がうかがえます。

毛穴美容液:悩みへの特化と検索の多角化

毛穴に特化した美容液の検索は、ここ1〜2年で着実に増加しています。

中でも注目を集めたのが、2025年5月発売のコスメデコルテ「AQ 毛穴美容液オイル」。発売と同時に「コスメデコルテ 毛穴美容液」というキーワードの検索数が急増し、毛穴系ワード全体の検索量を牽引しました。

また、「毛穴の開き 美容液」「たるみ毛穴 美容液」といった具体的な悩みに対応する検索キーワードも年々増加しており、ユーザーが自身の毛穴の悩みにフィットするアイテムを積極的に探していることが明らかです。

毛穴美容液に至る前に検討されている選択肢

検索経路を分析すると、毛穴美容液を調べる前に「ブラッグヘッド 美容医療」「毛穴 美容医療」「ハイフ 鼻の毛穴」など、美容医療や皮膚科での治療に関するキーワードが多く検索されていました。
“プロによる根本的な治療”を検討している層が一定数存在することがうかがえます。

加えて、「針美容液」「ニードル美容液」などの機能性スキンケアや、「ラボラボ 毛穴ピールセラム」などのピーリング系アイテムも合わせて検索されており、毛穴の詰まり・開き・黒ずみなどに対して多角的なアプローチを模索しているユーザーが多いことが分かります。

プチプラ美容液でも高度な検索行動が顕在化

毛穴美容液といえば、多くの人がコスメデコルテなどのデパコスを連想していますが、「プチプラ」で検索される毛穴美容液には、どのようなブランドやキーワードが紐づいているのでしょうか?
「毛穴美容液 プチプラ」に関連する前後2段階の検索キーワードを分析し、ユーザーのニーズや傾向を読み解きました。

■ブランド:メディキューブ、キールズなど“コスパ重視”が鍵

ディキューブやキールズがよく登場しています。価格帯は3,000〜6,000円台と“プチプラ”の定義は幅広いものの、「高機能×手頃な価格」という認識で検索されている傾向があります。

■ 年代別ニーズ:10代〜40代まで、明確に分かれる関心軸

「エイジングケア」への関心が強い40代と、10〜20代の“毛穴ケア入門層”が同時に存在しており、検索行動においても年代ごとの差異がはっきりと表れています。

■ 肌質・毛穴タイプ別ニーズ

・敏感肌、脂性肌、乾燥肌、混合肌といった肌タイプごとの悩み
・開き毛穴、たるみ毛穴、メラニン毛穴など毛穴状態別の悩み
このように、単に価格や人気で選ばれるのではなく、自身の肌特性に合った製品を見極める傾向が強まっています。

■ 複合的な悩みを抱えるユーザーの増加

「ニキビ跡+毛穴対策」「美白(シミ)+毛穴」「角質ケア+毛穴」「小鼻の赤み+毛穴」
これらのキーワードが示すように、複数のスキンケア課題を同時に解決したいというユーザー心理が強く反映されています。

プチプラ市場であっても、ユーザーは価格だけでなく、製品の機能性や肌との相性、悩みへの対応力を重視して選択しています。肌質や年代、毛穴タイプごとに“最適な1本”を探す検索行動は極めて高度かつ合理的です。
このような検索傾向から、美容液市場におけるブランド設計やコンテンツ戦略にも、より精緻なユーザー理解とセグメント戦略が求められていると言えるでしょう。

まとめ

このように、美容液というひとつのアイテムを見ても、
消費者のニーズは実に多様で、検索されているキーワードもさまざまです。

そうした動きや変化は、検索データを活用することで、誰でも・客観的に・リアルタイムに把握することができます
ぜひ、検索データをもとに、商品開発やマーケティング施策、コンテンツ戦略に活かしてみてはいかがでしょうか。

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