リスニングマインド、ビジネスメディア「PIVOT」で紹介──検索データが変えるマーケティングの現場
ビジネス専門メディア「PIVOT」にて、リスニングマインドの執行役員 兼 SaaS事業部部長である西野氏と、導入企業・ノバセルのストラテジックプランナー青木氏が登場。従来の消費者調査の限界や、検索データがもたらす新たなマーケティングの可能性について語りました。
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消費者の“本音”は検索ワードに現れる:言葉にならない欲求の見つけ方
マーケターにとって最も重要なのは、消費者の“本当の意図”を読み解くことです。
つまり、消費者が何を求め、なぜその行動を取るのかという“本音”を理解することが、的確な戦略立案の出発点になります。
しかし、従来のアンケート調査やグループインタビューには、いくつかの根本的な課題があります。
たとえば、回答者の記憶に頼る設問や、質問の仕方によって回答が誘導されてしまうケースです。こうした調査手法では、消費者の意図を正確に捉えきれないリスクがあります。
自社のウェブログやCRMデータなど、一次データは比較的バイアスが少ないと言えますが、それでも“既存顧客”の行動に限定されてしまう点は否めません。
これでは、市場全体における潜在顧客のニーズや行動パターンを把握するには不十分です。

こうした課題を補う手段として、近年では検索データやSNSのような“全数データ”への注目が高まっています。なかでも検索データは、消費者のインテント(意図)を可視化できる点で特に有効です。
日本では人口の約80%がGoogleを利用しており、スマートフォンの普及により「気になったら検索する」が日常化しました。これは、消費者が自発的に発した“行動の痕跡”であり、直接質問せずとも関心・不安・欲求といった本音に迫るヒントが詰まっています。
インテントを読み解く精度とスピードが求められる今、検索データはマーケティングの羅針盤になりつつあります。
検索ワードで読み解く消費者インテント:語句の粒度と意図の深さ

検索キーワードには、消費者の置かれた状況や目的、そして“何をしたいか”という明確な意図が表れます。
たとえば、
- 「パスタ レシピ」は「パスタを作って食べたい」という意図、自炊しようとしている意図
- 「パスタ レシピ プロ」は「より本格的な料理を作ろうとしている」という意図
このように、検索語が長くなるほど、消費者の目的や関心も具体的に表れます。
キーワードの粒度からは、購買意欲の高さや検討段階の深さまで読み取ることが可能です。
マーケティングにおいては、こうした検索ワードに隠された意図を見逃さずに読み解くことが重要です。
導入事例:ノバセルが語るリスニングマインドのマーケティング活用
ノバセルでストラテジックプランナーを務める青木氏は、“新しいインサイトを探し続けることこそ、マーケターの宿命”と語ります。
しかし、消費者の本音やまだ見ぬ気づきを見つけ出すのは決して容易ではなく、青木氏自身も長らくその難しさに直面していたといいます。
そうした中で、マーケターにとっての新たな武器として選んだのが“リスニングマインド”でした。

「何より良かったのは、クイック&フラットに消費者の検索データに触れることができる点」
従来は、市場調査に多くの時間と人手を要しており、近年はAIの活用も進んでいるものの、情報の偏りに対する懸念は拭えなかったといいます。
しかしリスニングマインドは、実際の検索データに基づいた“可視化されたインサイト”をスピーディに提供してくれるため、消費者の本心に近づくためのヒントが見えると実感。これにより、より客観的で、実行に移しやすい戦略の立案が可能になったと話します。
ノバセルでの活用事例:検索データから見えた消費者インサイトの活用
実際にリスニングマインドを活用して得られた具体的な事例としては、次のようなケースがあります。
1. ダイエットサプリブランドのリブランディング
従来の広告では「価格の安さ」を前面に打ち出していましたが、検索データを分析してみると、消費者が本当に求めていたのは「運動なし」「食事制限なし」といった“手軽さ”であることが浮かび上がってきました。
さらに、競合として意識していたのは他社製品だったものの、実際に検索上で比較されていたのは“ジム”や“ピラティス”といった「運動」だったことも判明。
このようなインサイトを踏まえると、単なる広告コピーの改善だけでは不十分で、ブランド自体のポジショニングやコミュニケーション戦略を根本から見直す必要があると判断されました。
2.メンズコスメ市場の分析
男性向けコスメ市場が拡大しているという調査結果はあるものの、検索データを見ると、「おすすめ」や「ランキング」といったキーワードの検索数が非常に多く、「メンズスキンケアはどう始めればいい?」といった質問形式の検索も目立っていました。
ここから見えてきたのは、「興味はあるけれど、どこから始めてよいかわからない」という、漠然とした不安やハードルの存在です。

さらに、検索量の季節変動にも着目すると、毎年12月頃に「メンズスキンケア」に関する検索が急増し、「ギフト」に関する検索も同時期に伸びていることが確認できました。この傾向から、“男性用スキンケアにはギフト需要がある”という新たな仮説も導き出されました。

検索データから導き出された2つの仮説と戦略
仮説1:始め方がわからない男性が多い
WHO:スキンケアに興味はあるが、何から始めればいいか分からない男性
WHAT:すべての肌タイプに対応した入門用のベーシックなコスメ
仮説2:メンズスキンケアにはギフト需要がある
WHAT:香りが控えめでベタつかず、手頃な価格のギフト用化粧品
WHO:男性にコスメを贈りたいと考えるパートナーや友人
このように、検索データを起点に仮説を立てることで、より確度の高い戦略設計や、商品企画にまで落とし込むことが可能になります。
リスニングマインドは、戦略立案だけでなく、マーケターにとっての“企画支援ツール”としても大きな力を発揮しているのです。
結論:マーケターの最大の武器は、“消費者の本当の意図”を読み解くこと
「消費者を深く理解することができれば、自然と彼らに寄り添ったアプローチが可能になる」
「本心を捉えられれば、マーケティングにとどまらず、企業のアプローチそのものが変わっていく」
かつては手探りで始めていた企画も、今では検索データという“行動の痕跡”を手がかりに、より効率的かつ論理的に進められるようになりました。
生成AIの登場により、誰もが一定レベルの戦略を立てられるようになった今だからこそ、本物のマーケターに求められるのは“消費者がまだ言葉にしていない本心”を見抜く力です。
消費者が言葉にしないホンネを可視化し、次の一手を導く。リスニングマインドは、そんなマーケターの新しい相棒です。