今年の漢字として‘税’が選ばれ、2023年は増税や値上げが話題に上がることが多かったです。
2023年の値上げラッシュについての消費者の認識と、値上げ後の行動を見てみたいと思います。
- 値上げについて
- ガソリン代値上げ後の消費者行動
- 電気代値上げ後の消費者行動
の順にご紹介します。
検索データで見えた値上げに対する消費者心理
値上げについて
リスニングマインドのインテントファインダーで‘値上げ’について検索してみたところ、キーワード数が70,217個 / トピック数が 45,649個 / 月間平均ボリューム(直近3ヶ月の平均)が 2,521,913 / 年間ボリュームが 39,733,560と、かなり多くの検索がされていました。
値上げについて、消費者が敏感に反応していることが分かります。
年間ボリューム順に見ると、マクドナルドの値上げや電気代、ガソリン代の順に検索量が多かったです。
値上げの頻度や、生活との密接度が検索数に関係していることが分かります。
今回は電気代とガソリン代の値上げについて深掘りしていきたいと思います。
ガソリン代の値上げ
ガソリン代値上げ後の消費者行動
ガソリン値上げ後に消費者がどのような検索を行い、どのような行動を行うのか、Listening Mindのパスファインダーで、検索パスを見てみました。
ピンクの安くなるタイミングを知りたいユーザー(明日、予想、何曜日に上がる?、いつ下がる)
緑のガソリンの補助金について調べるユーザー(補助金もらい方、補助金35円いつから?)
グレーのトリガー条項について調べるユーザーがいることが分かりました。
ガソリンの場合は、日々変動するので、株価や外貨のレートのように随時チェックしていることが検索ワードから見えました。
日本一安いガソリンスタンド検索後のパス
データを見ていると、日本一安いガソリンスタンドという気になるワードがあったので、こちらのパスも見てみました。
オレンジの日本一安い場所を知りたいユーザー(日本一安いガソリンスタンド、日本一安い地域や県)や、
水色のガソリン価格変動の歴史を見たいユーザー(10年間の推移、30年間の推移、安かった年)がいることが分かりました。
車でガソリンが安い県に行くことがあれば、事前にチェックして、安く入れて帰ってきたいですよね。
クラスターファインダーで見えたニーズ
クラスターファインダーで検索したところ、アプリというクラスターが見つかりました。
今日のガソリン価格や、安いガソリンスタンドの情報、ガソリン価格を予想などをネットで検索するのではなく、アプリで気軽にチェックするユーザーが多いことが分かります。
おすすめのアプリや、アプリの比較情報を求めているユーザーはいますが、アプリ名まで言及されているものはありませんでした。
他にもガソリン価格の内訳やレシートの見方など、値上げをきっかけに、今まで気にしていなかった部分まで細かくチェックしようとする行動が見られました。
ガソリンの値上げについて興味があるユーザー向けのコンテンツは?
では、ガソリンの価格や価格の変動に敏感になっているドライバーに向けて、どのようなコンテンツを作れば良いでしょうか?
検索パスやクラスターに表示されている、
お得な情報:補助金の情報、価格の推移や安いガソリンスタンドの情報、おすすめのアプリ、安くなる曜日
豆知識:内訳やレシートの見方、燃費を良くする方法、ガソリンが安い都道府県、高騰の理由、世界のガソリン価格
などが考えられるでしょう。
ガソリンスタンドだけでなく、車メーカーや旅行会社、節約方法などのお得情報を紹介しているサイトなどでも取り上げられるコンテンツではないでしょうか。
電気代の値上げ
電気代値上げ後の消費者行動
次に生活と密接している電気代の値上げについて調べてみました。
電気代値上げの前後に、何を検索しているのか?
まずは電気代値上げを検索する前のパスを見てみます。
緑の安くするために見直しを検討するユーザー(見直し、安くしたい、シミュレーション)
ピンクの周りとの比較をするユーザー(国際比較や地域差)
グレーの詳細を把握したいユーザー(高騰理由や、仕組み、再エネ割賦金について調べる)
がいることが分かりました。
では検索後のパスはどうでしょうか?
水色の値上げ状況を把握したいユーザー(値上げがどのくらいか、何パーセント上がったか)
オレンジの覚悟はしていたが請求書を見て驚いて検索したユーザー(おかしい、先月の2倍、3倍など)
ピンクの少しでも電気代を抑える方法を検索するユーザー(対策や補助金申請方法)
がいました。
ガソリン代と違い、毎日変動するものではないので、状況の把握とその後に出来る見直しや節約などの行動を起こそうとしていることが分かります。
電気代の高騰をきっかけに乗り換えを検討しているユーザーもいらっしゃるので、電力会社の皆さんは、新規契約獲得の機会ではないでしょうか?
オール電化
インテントファインダーで見えたオール電化市場
電気代高騰により1番影響が大きいのが、オール電化のお家ではないでしょうか?
検索パスにもオール電化というキーワードがあったので、オール電化についても少し見てみました。
キーワード数が4,776個 / トピック数が 3,070個 / 月間平均ボリューム(直近3ヶ月の平均)が 193,986 / 年間ボリュームが 4,158,550と、多くの検索がされています。
月間平均ボリューム順にみると、電気代、電気代やばい、やめとけ、一人暮らし電気代という順に検索されていました。やや否定的なキーワードが見えますね。
クラスターファインダーで見えた値上げ後の行動
オール電化の電気代をクラスターファインダーで検索してみました。
オール電化の商品名のクラスターや、電気代、平均、高騰、冬などのクラスターに分かれました。
シミュレーションというキーワードもあるので、この中にはオール電化の住宅に住んでいるユーザーだけでなく、オール電化に変えるか悩んでいるユーザーもいることが分かります。
高騰・高額のクラスターを細かく見てみました。
水色の大体の電気代を把握したい、または自分たちの電気代が平均と比べてどうなのか知りたいユーザー(4人家族平均や、2人暮らし平均など)
ピンクの冷静に分析し、対策を取ろうとするキーワード(電気代が高い家電、節約、電気代が1番かかるもの)
が目立ちました。
こちらのクラスターについてAIレビューをしてみました。
総合意見:
消費者はオール電化の電気代に関心があり、特に以下の点に注目しています。
1. オール電化の電気代が減っているかどうか
2. オール電化の電気代の平均額(2人暮らしや4人家族などの場合)
3. オール電化の電気代が高い原因と節約のポイント
4. オール電化の夏の電気代の平均額
AIによるレビューで、自分の認識とずれがない、偏見が入っていないかを確認できます。
全体的にオール電化では、電気代高騰により、やめた、しなくて良かった、後悔、デメリットという否定的な意見が目立ち、メリットがなかなか目立たない状況となっています。
冬に電気代が高くなりがちな、北海道や青森など北にある寒い地域での検索も目立ちました。
オール電化を利用中・検討中のユーザーに向けたコンテンツは?
オール電化のメリット、オール電化にメリットがある都道府県や居住形態、入居人数などの情報や、電気代高騰時代におけるオール電化での過ごし方などのポジティブな情報があると、消費者がオール電化を導入するかどうかの判断がしやすくなるのではないでしょうか?
既にオール電化の住宅に住んでいる人達も、少し安心できるのではないでしょうか?
電力会社だけでなく、不動産でもこのようなコンテンツがあると良いですね。
また、電気代が高い家電や、電気代が1番かかるものという検索ワードもあるので、家電量販店や家電メーカーでも発信できるコンテンツ、アピールできる商品ポイントがあるのではないでしょうか?
まとめ
2023年の値上げに関する消費者心理とその後の行動を検索データで見てみましたが、いかがでしたでしょうか?
今回は2つのみを取り上げましたが、値上げの対象によって値上げ後の行動も少しずつ違いがありました。
値上げを受け入れて、値下げされるのを待つだけでなく、何かしらの行動を起こそうとしていることが分かりました。
消費者の行動に合ったコンテンツや、情報を発信し、オーガニックトラフィックを増やしていきましょう。
Listening Mindは7日間の無料トライアルも実施中です。
自社が関連する項目、キーワードの消費者行動を是非チェックしてみてください。