前編に続き、後編に入ります。
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加湿器の購入要因を分析してみよう
加湿器について消費者たちは様々な期待とともに殺菌、お手入れのような2つの要素を同時に持っています。
それでは、加湿器を購入する際に考慮される購入要因と加湿器に対する不安、不満要素について、リスニングマインドデータから解説してみます。
[購入要因 -クラスター分析画面]
日本の消費者たちが加湿器を購入する際に最も重要視する要因をまとめると次のようです。
1) お手入れ(メンテナンス):
消費者が重要視している要素は「お手入れ」です。具体的に「手入れ」、「簡単」、「掃除」、「手入れ簡単」、「洗い」、「メンテナンス」、「洗浄」、「フィルター」、「汚れ」などが含まれています。
1) お手入れ(メンテナンス):
加湿器を購入する際に考慮する2番目のポイントは、衛生です。この要素には、細菌、カビ、臭いなどの衛生に関するテーマとして、カルキ、カビ、衛生、クエン酸、除菌、臭い、重曹などのキーワードが含まれます。
参考:加湿器肺炎(レジオネラ菌)
加湿器 肺炎とは、加湿器内で繁殖するカビや、場合によってはレジオネラ菌を吸い込んで発症する病気です。カビ自体は弱い病原性を持ち、肺に直接炎症を引き起こすものではありません。気管支がカビによるアレルギー反応を起こすことが「加湿器肺炎」の原因とされています。
抗菌剤(抗生物質)などの治療薬は効果がありません。症状としては発熱、咳、息切れなど、通常の肺炎と同様。重症の場合には呼吸状態が悪化し、入院が必要なケースもあります。
黒カビ
黒いカビは、カビと聞くと想像される黒い斑点のような模様です。空気中には常に黒いカビの胞子が存在すると言われいて、いくらきれいにしても完全にゼロにすることはできません。さらに、他のカビとは異なり、深く根を下ろし内部に侵入するという特徴があります。微細な傷にも中に浸み込む非常に強力な繁殖力を持っています。
また、黒いカビは赤いカビなどを餌として繁殖することもあるため、赤いカビがあると黒いカビも繁殖する可能性があると考えられます。さらに、黒いカビは色素沈着を引き起こすだけでなく、人体に対しても悪影響を与えることがあります。このように黒いカビは多くの悪影響をもたらすため、迅速に対処する必要があります。
赤カビ
赤いカビは、きれいなピンクの斑点のような色です。その正体は「ロドトラ」と呼ばれる菌です。高温多湿の場所が好物で、水回りに繁殖しやすい特徴があります。しかし、実際には赤いカビ自体はあまり悪いものではなく、人体に悪影響を及ぼすことはありません。
加湿器においてもお手入れせずに放置した場合、レジオネラ菌やカビが大量繁殖するのに最適な場所となります。
大分県の高齢者施設で、80〜90歳の男性3人がレジオネラ菌に感染し、そのうち1人が死亡したという事件が2018年1月にありました。高齢者集団施設で発生した事件で、大きな注目を浴びたこともあり、この事件をきっかけに、加湿器の菌の繁殖への認識が高まりました。
3) 加湿範囲(加湿量):
広さ/面積的には、畳以外にもリビング、大容量、大型、一人暮らし、ワンルームなどが含まれます。これテーマは、購入時に非常に重要な選択基準となり、面積=加湿量やタンク容量など関連要因とされています。
4) デザイン:
5) 価格:
不安・不満要因調査
加湿器の場合、購入要因と不安要因が直接結びつく要素が多く存在します。衛生面とメンテナンス面は、購入要因でありながら不安要因でもあります。2つの要因は前述で取りあげているのでここでは不安要因である電気代、濡れる、騒音に関する項目だけを調査してみます。
1) 電気代 :
2) 水漏れ:
3) 騒音:
購入ペルソナ調査
一人暮らしのデザイン重視派
加湿器もインテリアの一部と考える一人暮らしの独身男女をターゲットとした層です。女性だけでなく男性比率もほぼ同等であり、年齢層も若い年齢に限定されず、25歳から54歳まで幅広く分布しています。また、ギフト用で購入する場合、可愛らしく洗練されたデザインの加湿器を購入したいと考えるターゲットも一部存在しています。
製品の特性から見ると、主にアロマミストなどと連携した製品が求められ、検索されるブランドは「無印良品」「フランフラン」「ニトリ」などデザイン重視で価格帯は1万円以下の製品が主流でなっています。
主な検索キーワードとしては、「おしゃれ」「リビング」「北欧」といった複合キーワードが多く、自分が購入したい加湿器を見つけるために「インテリアになるかわいいデザインもおすすめ」「リビングの印象を良くしてくれる」「北欧インテリアにもあうおしゃれな加湿器」といった文章を使っています。
主要検索キーワード :
- 加湿器 おしゃれ
- 加湿器 北欧
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- 一人暮らし 加湿器
ペットボトル式もOK、価格重視
予算が限られた30代から40代の女性層は3000円以下の低価格な製品やペットボトルを使用するUSBタイプの手頃なモデルを購入したいと考えています。主に検索するブランドは、メーカーよりもダイソーやカインズ、ベルメゾン、ニトリなど、低価格の家具、雑貨、家電を販売する店舗を探しています。
一方、「ダイソーの加湿器はどの程度の効果があるのか?」や「安価な加湿器でも効果は得られるのか?」といった質問から、低価格な加湿器が本当に効果的かについての不安もあります。
主要検索キーワード :
- ダイソー 加湿器
- 簡易加湿器 ペットボトル
- 加湿器 安い
- 加湿器 卓上
- ベルメゾン
- カインズ店舗
清潔とお手入れを重視する主婦
加湿器を清潔に使用したいと考える主婦は、象印、ダイニチ工業、パナソニック、シャープなど家庭用加湿器の購入を検討するターゲット層です。主な質問は「フィルターの交換時期はどのくらいか?」や「加湿器の掃除をする適切頻度は?」など、掃除とお手入れに関するものです。関連する複合キーワードとしては、「久しぶりに使うとき」「タンク」「フィルター」など、加湿器の各部に関するキーワードが存在します。