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検索データによる消費者分析/加湿器 前編

日本における加湿器の市場規模

日本の加湿器市場は2021年に約1,200億円(1兆2千億円)と推定され、2022年から2027年までの間に年平均5.5%の成長率を記録すると予想されています。この成長は、乾燥した屋内空気を改善し、呼吸器疾患を予防するための加湿器の需要の増加によるものです。また、空気清浄機やエアコンなどの他の家電製品と統合された加湿器の人気の増加も市場の成長に寄与すると予想されています。

全体的に、日本の加湿器市場は積極的な成長が見込まれ、将来数年間は継続的な成長が期待されています。

家庭用加湿器の普及率

2021年、日本の家庭で加湿器を使用している人の割合は65.6%でした。これは、2017年の63.1%から増加しています。この増加は、冬季の乾燥した空気による呼吸器疾患のリスクを減らすための加湿器の需要が高まっていることに起因しています。

※2022年、日本冷凍空調工業会による発表「家庭用空気調和機・冷暖房機器に関する市場動向調査」

日本の加湿器市場は、大手企業であるダイキン、パナソニック、シャープ、日立、ヤマゼン、IRIS OHYAMAなどによって支配されています。これらの企業は、ブランド認知度、製品の多様性、流通網の強みを基に市場で強力な地位を築いています。

日本の加湿器市場におけるメーカー別のシェアは、ダイニチ工業が7年連続でトップを維持していますが、その他の動向は公開されていません。主要メーカーとしては、象印やパナソニック、シャープなどの大手家電メーカーに加えて、アイリスオーヤマ、無印良品などの総合生活用品メーカーも参入しています。一方、加湿機能を備えた空気清浄機やエアコンなどの製品も多様に存在し、加湿器の製品カテゴリー内だけで競争する枠を超えているとも言えます。

コロナ以降の市場変化

加湿器の出荷は通常、11〜12月がピークとなり、1月以降は急速に需要が減少する傾向があります。しかし、新型コロナウイルスの影響後の動向は従来とは異なります。2020年3月の出荷数量は、前年同月比328.7%で前年度同シーズンと比べ3倍に成長しました。4月には710.5%で、前年度対比7倍へと成長しました。乾燥期が過ぎたにも関わらず、高い成長を示した理由は何でしょうか。

ダイニチ工業は、この成長の理由として「新型コロナウイルス感染症への対策」と挙げています。外出自粛により在宅時間が増加し、乾燥対策として購入する傾向が増えたことが要因です。また、首相官邸のウェブサイトに掲載された新型コロナウイルス感染症への対策では、空気の乾燥は喉の粘膜の防御機能を低下させるため、乾燥しやすい屋内では加湿器などを使用して適切な湿度(50〜60%)を保つことが説明されており、これが需要を押し上げたと考えられます。

新型コロナウイルスの影響により、加湿器は好調な推移を示しました。
(4月の総出荷数量は前年同月比7倍に成長している)

2021年においても、2020年と比較して加湿器市場は大幅に成長し、加湿器の代表的な企業であるダイニチ工業も2021年2月の出荷金額を基準にして前年比700%成長しました。

コロナをきっかけに、消費者の加湿器への認識と需要が急激に増加したと判断されています。

加湿器の種類別販売比

2016年のデータによれば、加湿器の4つのタイプ別の販売比率は、超音波式が37%(最も高い比率)、スチームファン式は25%で3年間16%減少しました。ハイブリッド式は26%、気化式は12%という結果となっています。

検索ボリュームデータ:最新の比率を確認するため、2023年5月の検索データ分析によると、以下のような結果が得られました。

検索データでは超音波式が38.9% > スチームファン式25.6% > ハイブリッド21.8% > 気化式13.6%

<価格帯別販売価格2017年>

価格帯の区分は、5千円未満、5千〜1万円、1万〜2万円、2万〜3万円、3万〜4万円、5万円以上です。

5千円未満の製品が全体の50%を占めています。また、2万円以上の製品はプレミアム(湿度を自動的に検知するセンサーなど、付加価値の高い機能を搭載したもの)として扱われ、全体の約10%を占めていることが調査で明らかになりました。

超音波式が支持される要因としては、平均価格6千円前後が適切で1人暮らしの家庭が多く、ランニングコストも低く、デザインなどのバラエティも豊富です。(無印良品3,000円〜4,000円程度のアロマモデルがこれにあたる)

加湿器に関する消費者分析

検索トレンド

日本の消費者に関連する「加湿器」に関する検索キーワード数は15,394個、月2,088,280回検索されています。これを月ごとに見てみると、9月から上昇し、12月にピークを迎えた後、3月を境に減少する傾向が確認できます。このように季節的な要因は製品カテゴリー上、自然な流れであると言えます。

クラスター分析 (Mental-Schema)

加湿器について、消費者はどのように認知しているのかメンタルスキーマを分析するためにクラスター分析を行った結果を画像と共にご紹介します。

これをより分かりやすくするために、ローデータをダウンロードし、主要テーマでグルーピングした結果が以下となります。

最も大きなテーマ(クラスター)は、「ガイド」グループで、全体の15.8%に相当します。詳細を見ると、加湿器の比較やおすすめなど、まだ特定のブランドや製品について決定していない比較的に購入初期段階の意図が見てとれます。

おすすめ99826
ランキング33513
人気5870
選び方10664
口コミ28712
比較4180
 182765

2つ目のテーマは、メンテナンス関連のキーワードです。お手入れや掃除、フィルターなど、さまざまな意図が含まれるグループであり、このグループは購入するための選択基準や不安要素において重要なテーマとするべきです。

手入れ36573
簡単14428
掃除54624
手入れ簡単11316
洗い4884
メンテナンス1343
洗浄8732
フィルター41124
汚れ6871
 179895

3つ目のテーマはタイプです。加湿器の種類に関する情報ニーズで、全体の13.2%に該当します。具体的には、スチーム式、気化式、ハイブリッド式、超音波式など、それぞれの違いやメリット、デメリット、どの種類を選ぶべきかについて情報性の高いテーマとなります。

スチーム53004
ハイブリッド36822
加熱式19152
気化式17520
超音波18893
種類7348
 152739

4つ目のテーマは、衛生関連のキーワードで全体の10.1%を占めています。

カルキ16351
カビ37733
衛生3627
クエン酸31306
除菌5845
臭い16360
重曹5739

ブランド認知度

日本の消費者たちが加湿器のブランドを検索する際、検索ボリュームを基準に調査した結果、最も高い認知度を持つブランドは炊飯器で有名な象印が「Top of Mind」を確保しており、次に加湿器を製造してきたダイニチ工業が位置づけています。

3位のアイリスオーヤマの場合、お手頃の生活家電を製造するメーカーです。4位にシャープ、5位にはパナソニックが占めされています。そして6位の無印良品の場合、加湿器を専門に取り扱う会社ではないものの、安価の超音波加湿器とアロマをセットにした商品が6位を占めしています。

広さ別検索ボリューム

5畳から10畳の範囲(寝室やリビングなど)が全体の50%を超えており、21畳以上は家庭用とより、オフィスや病院、接客用などの用途と判断されます。

10畳以下の中でも高い割合は6畳、次に8畳、10畳の順で、加湿量では300mL/h 〜 500mL/hとなります。

畳の基準以外にも上記のクラスター分析から見つかった面積に関する要素は以下の通りです。

・一人暮らし         11,920

・ワンルーム          663

・リビング   7015

・大容量  6249

・大型     3374

・寝室     24803

・ベッド     1876

・枕元     4548


後編に続く。
検索データによる消費者分析/加湿器 後編

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