コロナ禍が明けてから、キャンプブームが終わったという声が聞こえるようになってきましたが、実際にはどうなのでしょうか?検索データを使うと、製品や業界について詳しく知らない担当者でも簡単に市場の分析、把握ができます。
今回はキャンプ市場について全く知らない担当者が、キャンプ関連メーカーとのファーストアポの前に市場理解と、提案できるアイデア、話のネタを探す目的で、Googleの検索データからキャンプ市場を分析してみます。
キャンプブームは本当に終了したのか?キャンプ関連の検索量推移
1.キャンプ
キャンプやキャンプ場などの単一キーワードの検索量推移を見ると、キャンプブームが終了したようには見えず、毎年4月と8~10月にキャンプ場の検索量が増加しています。
2.キャンプブーム
次にキャンプブームに関連するキーワードの推移を見ると、“キャンプブーム 終了”というキーワードが23年の8月と24年の2月に増加しており、キャンプメーカーの決算発表のタイミングと重なります。
キャンプブームが終わり、キャンプに行く人が圧倒的に減ったというよりは、キャンプメーカーの業績を見てキャンプブームが終了したと判断されていると読み取れます。
検索データで見たキャンプ用品
キャンプ関連で検索されているトピックを見たところ、キャンプの形態としてはソロキャンプ→オートキャンプ→デイキャンプの順に多く、温泉と言うトピックも上位に見つかりました。
キャンプ用品について見ると、キャンプ用品の中でもテント→テーブル→椅子(チェア)の順に検索されています。
キャンプテーブル
テントの次に検索されているテーブルですが、消費者が求めているテーブルは
仕様:コンパクト→折りたたみ→ロー→軽量
素材:アルミ→木製→アイアン→メッシュ
でした。
中には“自作”というキーワードもあり、キャンプテーブルを自作したいニーズもあることが分かりました。
キャンプチェア
次にキャンプチェアについて見てみます。
消費者が求めているチェア、椅子の仕様は、[コンパクト→折り畳み→ハイバック→リクライニング→座椅子]であり、
想起されるブランドは[コールマン→ワークマン→ニトリ→ダイソー→カインズ]の順で、テーブルとほとんど同じでした。
アウトドアブランドはコールマンのみで、コスパを重視する層との二極化が見えます。
キャンプチェアの新たな利用シーンの発見
ブランドをまだ認知していない、決め切れていないユーザーが検索する“キャンプ椅子 おすすめ”というキーワードからユーザーを深掘りしてみます。
前後に検索しているキーワードと検索経路、SERP画面を分析したペルソナを見ると、キャンプチェアに求める様々なニーズが見えました。
その中でも利用シーンが違う[スポーツ観戦アウトドア椅子]というクラスターと、[バイク用キャンプチェア]を求めているクラスターが見つかりました。
1.スポーツ観戦アウトドア椅子
[スポーツ観戦アウトドア椅子]というクラスターを見てみます。
スポーツ観戦用の椅子を探しているユーザーが前後にキャンプチェアも検索していたので、キャンプチェアのターゲットとなり得るユーザーだと言えます。
利用シーンは野球、サッカー、フェス、レース、スポーツ観戦が目立ちます。
同じ利用シーンでもキーワードをよく見ると、実際に使う対象や求めているものが少しずつ異なります。
他にも前後の検索キーワードに運動会、ゴルフなどのシーンや、“スポーツ観戦 日傘 椅子に つける”という具体的なニーズと行動が含まれたロングテールキーワードも見えました。
年々夏の気温が上がっていることから、スポーツ観戦時にも日傘が必要となり、長時間なので手で持たずに椅子につけたいというニーズが増えてきていることが分かりました。
2.バイク用キャンプチェア:チェアリング
次に[バイク用キャンプチェア]というクラスターも見てみました。
前後の検索経路を見ていると、コンパクトなキャンプチェアと言っても、車でキャンプに行くユーザーと、バイクでキャンプに行くユーザーとでは求めているコンパクトさが異なるということが分かりました。
バイクに積めるほどコンパクトでなければいけないのです。
更にはチェアリングという、聞きなれないキーワードも見つかりました。
チェアリングとは折りたたみ椅子を持ち出して、自分の好きな場所でくつろぐことで、近場で自然を感じたい時や、散歩中に疲れた時、良い景色を見つけた時などに持ってきた椅子を出して休憩をするそうです。
歩いて持ち出す、自転車で持ち出す(サイクリング)、バイクで持ち出す(ツーリング)など、様々な方法とのかけ合わせが出来そうなアクティビティですね。
今回分析してみたところ、キャンプチェア・折りたたみ椅子が活躍するシーンは思っていた以上に多様で、身近にありました。
キャンプ市場について全く知らなくても、検索データを使うと簡単に市場分析が出来、消費者のニーズやトレンドについても把握できます。
商談の前に先方の会社や業界について調べ、話のネタとしても使ってみるのはいかがでしょうか?
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