カテゴリーエントリーポイントとは
カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは、消費者が特定のカテゴリーの商品やサービスを思い浮かべる際の「きっかけ」や「入り口」を指します。
企業は、消費者が特定のブランドやカテゴリーを自然に思い浮かべる瞬間(CEP)を特定し、マーケティングに活用することでより効果的にアプローチができるようになります。
分かりやすい例としてポカリスエットのCEPを挙げると、
- 運動後の水分補給には→ポカリスエット
- 風邪をひいた時は→ポカリスエット
- 熱中症対策には→ポカリスエット
- 二日酔いには→ポカリスエット
- サウナの後には→ポカリスエット
等、従来のスポーツ飲料は運動後の水分補給がメインでしたが、ポカリスエットが新たなCEPをいくつも確立したため、今では様々なシーンでポカリスエットが思い浮かびます。
効果的なCEP戦略は、ブランドの認知度向上や売上増加に大きく貢献します。
本記事では、CEPの事例を紹介し、リスニングマインドを使って検索データを基にCEPを調査してみます。
CEPの事例
コカ・コーラのCEP:特別な瞬間から日常まで溶け込んだ飲み物
コカ・コーラは日常の様々なシーンや記念日などの特別な日に自然と思い浮かぶブランドではないでしょうか。
下記の図のようにコカ・コーラは“喉が渇いた時、気分転換に、疲れた時、買い物中に、アウトドアのお供に、食事と一緒に、スナック菓子と一緒に、ピザと一緒に、クリスマスに、ホームパーティーの時”に等、様々なシーンで真っ先に思い浮かぶ飲み物です。
このようにコカ・コーラは単なる飲み物の領域を超えて、暑い夏の日に真っ先に思い浮かぶ飲み物、喉の渇きを癒す爽快感の代表、“楽しい時間を共にするブランド”として定着しました。
ナイキのCEP:運動と目標達成の象徴
ナイキは運動を始めるモチベーションや、運動の目標を達成するための強力なモチベーションを提供してくれるブランドです。
高品質なスポーツウェアとシューズは運動を始めようとする時に自然と思い浮かび、「Just Do It」というスローガンは、目標を達成したい消費者に挑戦する気持ちを奮い立たせます。
これにより、ナイキは単なるスポーツブランドではなくそれ以上の存在となり、運動と目標達成の代表となりました。
また、ナイキはバスケットボールやサッカーなどのチームスポーツ用品も販売しており、チームスポーツを楽しむ消費者にとっても重要なブランドとして認識されています。
さらに、ファッションブランドとしても強い存在感を示し、日常でのスタイリッシュなウェアとしても定着しています。
ナイキはこのような様々なシーンで、運動とコーディネートを同時に叶えるブランドとして位置づけられています。
レッドブルのCEP:エネルギーが必要なときに自然と思い浮かぶブランド
レッドブルは、消費者にエネルギーを提供する飲み物として定着しています。
運動前や長時間運転時などの集中力が必要な瞬間や、残業や徹夜作業中に欠かせないエネルギー源として認識されており、今では大人だけでなく、学生達にも大事な試験の前に飲む飲み物として認識されています。
また、エクストリームスポーツとの連携により、挑戦と冒険の象徴となり、レッドブルは高強度の運動やエネルギーが必要な瞬間に自然と思い出される飲み物となりました。
レッドブルの公式サイト内でも色んなCEPを訴求しております。
スターバックスのCEP:コーヒー以上の、くつろげる日常の空間
スターバックスは単にコーヒーを提供するだけでなく、消費者にとって大切な生活空間として定着しました。
朝の通勤中に立ち寄り、素早くコーヒーを購入する習慣から、スターバックスが“1日の始まりを共にするパートナー”として消費者に記憶され、午後には疲れを癒し、短時間の休憩を取る場所としてのイメージも確立しました。
また、スターバックスのきれいで落ち着いた環境と無料Wi-Fiは、仕事の打ち合わせや勉強の場所としての役割も果たします。
クリスマスシーズンにはシーズン限定商品を展開し、特別な体験を提供し、季節ごとに新しい楽しみを消費者に届けます。
このような様々なCEPを通じて、スターバックスはコーヒーブランド以上の価値を提供し、消費者の日常に深く根付きました。
appleのCEP:プレミアムライフスタイルのアイコン
appleは単なる技術製品を超え、プレミアムライフスタイルを代表するブランドとなりました。
クリエイティブな仕事をする人達にとって、appleは必須のツールとして認識され、ハイクオリティな体験を求める消費者にとっても魅力的なブランド・製品です。
iMessageやFaceTimeは日常のコミュニケーション手段として定着し、appleはデジタルコミュニケーションの中心となりました。
また、appleはライフスタイルブランドとしてプレミアム技術と革新を求める人達にも愛されており、iPadは教育現場で必須の学習ツールとして定着し、教育分野においても認識されています。
appleはこのような様々なCEPを通じて、消費者に独自のライフスタイル体験を提供し、日常生活の重要なパートナーとして定着しました。
CEPがどういうものなのかなんとなくイメージが湧きましたでしょうか?
では、次にCEPをどのように見つけることが出来るのかご紹介します。
カテゴリーエントリーポイント(CEP)を見つける方法:リスニングマインド
リスニングマインドを使うとCEPを発見することが出来ます。
クラスターファインダー:CEPの発見
例えば、リスニングマインドの「クラスターファインダー」を使うと、検索データを基に、特定のブランドが想起される様々なシーンや文脈を捉え、様々なCEPを発見することができます。単純なアンケートやフォーカスグループインタビューではなく、実際に消費者が日常的に繰り返し行う検索データを活用することで、ブランドがどの状況で自然に思い出されるか、客観的に把握することができます。
これにより、消費者とブランドの主な接点を把握し、様々なシーンに合ったブランドメッセージを伝えることができるようになります。
メンズコンシーラーの場合、ほくろやシミ、青髭、クマ、赤み、ニキビ、クレーター肌を隠したい時に思い出されるアイテムであり、第一想起されているブランドは資生堂、セザンヌ、無印、流通はロフト、ドンキ、コンビニであることが分かりました。
パスファインダー:消費者セグメントの理解・潜在ニーズの発見
発掘されたCEPについて、パスファインダーを活用することで、その接点にいる消費者セグメントに対する理解を深めることができます。
特定のCEP内でブランドやアイテムに関する検索を積極的に行っているセグメントの検索経路を追いかけることで、新たな潜在顧客を発見し、ニーズの深掘りができます。
ワイヤレスイヤホンの前後の検索経路を見ると、ワイヤレスイヤホンを検索している消費者の中でも音質を重視する消費者と、価格を重視する消費者で経路が全く異なり、求めている機能や“コスパ”という基準も異なります。
インテントファインダー:市場規模から優先順位を判断
また、インテントファインダーは各CEPに対する市場の規模と消費者の意図を分析し、マーケティングの優先順位を設定する際の判断基準として使えます。
インテントファインダーを使うと、検索量から市場規模や市場の推移を把握できるので、どのCEPから強化していくのか判断する際に役立ちます。
更に、消費者が実際にどのようなキーワードを入力して検索しているのかも見れるので、どのような時に、何を必要としているかを把握することもできます。
マーケターがより効果的な優先順位を判断できるようサポートします。
リスニングマインドは7日間の無料トライアルも実施中です。
自社のCEPを探したい方、新たなCEPを見つけたい方は是非、お試しください。
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