カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは、消費者が特定のカテゴリーの商品やサービスを思い浮かべる際の「きっかけ」や「入り口」を指します。企業は、消費者が特定のブランドやカテゴリーを自然に思い浮かべる瞬間(CEP)を特定し、マーケティングに活用することでより効果的にアプローチができるようになります。
本記事ではリスニングマインドで消費者の認知状況を分析した結果、新たなCEPの機会/未顧客の発見にまで繋がった韓国のコスメブランド”WAKEMAKE(ウェイクメイク)”の事例をご紹介します。
消費者の認識調査:WAKEMAKE アイシャドウ
クラスターファインダーを使うと、入力したキーワードを検索する前後2段階の検索データを収集し、特定のブランドが想起される様々なシーンや消費者が抱えている課題や悩み、比較検討されているブランドなどを把握することができます。
クラスターファインダーに“wakemake アイシャドウ”を入力し、分析してみました。
WAKEMAKEの化粧品や韓国コスメに関するクラスターが多く見つかりましたが、その他にも下記のような消費者の状況が分かりました。
比較検討されているブランド:Amuse、ミルクタッチ、ピーチC
購入場所、地域:Qoo10、オリーブヤング、ロフト、新大久保、梅田エスト
芸能人、インフルエンサー:ユンジン(ルセラフィム)、小田切ヒロ
悩み:アイシャドウのよれ、アイシャドウの塗り方
そんな中、“ブルベ冬向け韓国メイク”と“初音ミク コスメメイク”というCEPとなるクラスターが見つかりました。
CEPの発見:ブルベ冬向け韓国メイク
多くのコスメブランドではパーソナルカラーを活用したマーケティングや商品企画を行っています。
WAKEMAKEのアイシャドウも各パーソナルカラーに合ったカラーを提案していますが、その中でも特にブルベ冬の消費者がWAKEMAKEのアイシャドウを求めており、ブルベ冬の消費者が韓国メイクをする際にWAKEMAKEを想起しているということが分かりました。
CEPの発見:初音ミク コスメメイク
次に意外な発見となった初音ミク コスメメイクについてです。
WAKEMAKEと一緒に連想されていた2人の著名人の場合、ルセラフィムのユンジンさんは去年までWAKEMAKEのイメージモデルを務めており、小田切ヒロさんもYoutubeでWAKEMAKEのおすすめ商品を紹介しており、ブランドとの接点が見つかりました。
しかし、初音ミクに関しては、WAKEMAKEとの繋がりが想定外であり、ブランド側のアプローチも見当たりませんでした。消費者が独自に作り上げたCEPであり、ブランド側が見逃していた未顧客であると言えます。
“初音ミク メイク”を検索している消費者を分析
では、WAKEMAKEの未顧客である“初音ミク メイク”についてCEPとペルソナを分析してみます。
リスニングマインドに搭載されているAI分析機能を使うと、検索ワードとSERP画面を分析し、CEPやペルソナを一瞬で言語化してくれます。
“初音ミク メイク”のカテゴリーエントリーポイント(CEP)は?
AI分析の結果は下記の通りでした。
【カテゴリエントリーポイント(CEP)分析結果】: この検索クラスターには、「初音ミク アイシャドウ」「コスプレ」「メイク」「コラボコスメ」などの関連キーワードが含まれており、消費者は特定のキャラクターを使ったメイクアップを通じて自己表現をしたいというニーズを持っていると考えられる。
– With Whom: 友人や同じ趣味を持つ仲間と一緒に楽しむため、コスプレイベントやパーティーなどでの使用が想定される。
– With What: 初音ミクのコスプレ衣装や他のコスメアイテムと一緒に使用することが考えられる。
– For What: 特別なイベントやコスプレ、または日常的なメイクとして、自己表現や趣味の一環としての使用が目的。
– How Feeling: 楽しさやワクワク感、特別感を感じながら、好きなキャラクターになりきることで得られる満足感が強調される。
“初音ミク メイク”を検索している消費者のペルソナは?
1. 初音ミクファンのメイク愛好者
【ペルソナ分析結果】
初音ミクというキャラクターに強い愛着を持ち、彼女のコスメ商品に興味を持っていると考えられます。また、検索結果には「初音ミク コスメシリーズ」や「特典付き限定パッケージ」といった情報が多く含まれており、ファンとしての特別感や限定商品に魅力を感じている可能性があります。
【質問リスト】
1) 初音ミクのアイシャドウはどこで購入できるのか?
2) 初音ミクのコスメにはどんな種類があるのか?
3) 初音ミクのアイシャドウの色味や質感はどんな感じなのか?
このように、過去に販売された初音ミクをモチーフにしたコスメの情報を求めているペルソナが見つかりました。
2. コスプレイヤー
【ペルソナ分析結果】
初音ミクのコスプレを行う人々であり、彼女の特徴を再現するためのメイクアイテムを探していると考えられます。検索結果にはコスプレ関連の情報や、初音ミクの特徴を再現するためのメイク方法に関する情報が含まれており、コスプレ用のメイクに特化した商品を探している可能性があります。
【質問リスト】
1) 初音ミクのコスプレに最適なアイシャドウの色は?
2) 初音ミクのメイクを再現するためのおすすめ商品は?
3) コスプレ用のアイシャドウの持ちやすさはどうか?
このように、初音ミクのコスプレをする際におすすめのアイシャドウやメイクアイテムの情報を求めているペルソナが見つかりました。
そのペルソナが初音ミクのメイクなどを検索する前後にWAKEMAKEのアイシャドウを検索しているということです。
未顧客に対するマーケティング戦略
コスメブランドであるWAKEMAKEの場合、2つ目のペルソナ(初音ミクのコスプレを行う人)を新たなターゲットとして設定できます。
韓国コスメが好きな人、プチプラのアイシャドウを探している人以外にも、初音ミクのコスプレをする人向けのマーケティングを新たに行うことで、新規顧客の獲得・新たなCEPとして定着させることができるのではないでしょうか。
将来的には初音ミクに限らず、“コスプレメイク”に市場を広げたり、初音ミクのコスプレをする外国人にターゲットを広げることも考えられます。
“初音ミク コスプレ”の市場規模
以前の記事でもご説明したように、新たなCEPの機会/未顧客を見つけた場合、市場規模を見て、強化するかどうか判断することができます。
リスニングマインドで初音ミクに関連する全キーワードの検索量を調べたところ月平均検索量が250万回でした。
その内、[メイク・コスプレ]関連のキーワードに絞り込んだ結果、月平均3.9万回検索されていることが分かりました。
検索量から市場規模や市場の推移を把握し、新たなターゲットへ投資するかどうか判断することができます。
今回はリスニングマインドで見つけた新たなCEPと見顧客についてご紹介しました。
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