野球の成績だけでなく、ドジャースへの移籍や飼い犬、小学校へのグローブの寄付など話題が絶えない大谷選手ですが、様々な企業のアンバサダーとしても活躍しています。
大谷選手をアンバサダーに起用したマーケティング効果はどれくらいあったのでしょうか?
検索データで確認してみました。
大谷選手の注目度を検索データで分析
月平均1300万回検索、年間2.4億回以上検索されており、ピーク時は“大谷翔平”という1つのキーワードだけで2000万回以上検索されています。
時期で見ると、シーズンが始まる3月から9月にかけて検索量が増える傾向にありました。
トピックを見ると、
速報、ホームラン、MVP、ニュースなど試合の結果
ドジャース、移籍、年俸など契約や所属チームについての検索が多かったです。
他にも飼い犬や結婚等のプライベートな情報や、切手などのグッズに関連する検索も多く見られました。
大谷効果は?アンバサダーマーケティングの事例
多くのブランドのアンバサダーを務める大谷選手ですが、大谷効果はどれくらいあるのでしょうか?
ポルシェ
大谷選手が背番号を譲ってくれた同僚の妻に贈ったことで話題になったポルシェ。
11月まで300前後だったのが12月に1.4万回以上と、約46倍伸びました。
関連キーワードには契約金や値段、車種、動画などがありましたが、その中でも上位にあったのは提供や海外の反応、値段というキーワードでした。
セイコー
何度か話題になっていますが、12月の入団会見時に着用していたことで検索量が一気に伸びております。
11月は1900回でしたが、12月には1.4万回以上と、約8倍伸びました。
時計やプロスペックスというキーワードが多く検索されておりますが、他にも大谷翔平モデルや、アストロンなどのキーワードも検索されておりました。
セイコーでは、実際に大谷翔平モデルを販売していることもあり、その商品への関心が高いことが分かります。
ニューバランス
23年の1月末に、大谷選手との契約を発表したニューバランスは、契約発表から徐々に検索量が伸び、3月には2.2万回以上検索されていました。
10~12月にかけては小学校へのグローブ寄付が話題となり、複数の関連キーワードの検索量が全体的に増加しました。
大谷翔平 グローブ ニューバランス 発売日 / 大谷翔平 グローブ ニューバランス 値段
などグローブの購入を検討しているユーザーの検索や、
Tシャツやスニーカーなど、グローブを使用しないユーザーがニューバランスで普段使えるファッションアイテムを検索していました。
BOSS
BOSS(ヒューゴボス)も2月には590回だったのが、3月には2.7万回以上と約46倍となりました。
関連キーワードはパーカーが上位にあり、スーツよりはパーカーやジャケット、リュックなどのライフスタイルよりのアイテムの検索が目立ちました。
コスメデコルテ
大谷選手のロッカーの写真に写り込んでいたことで話題になったコスメデコルテは、ピーク時が3.3万回以上と他のブランドよりも検索量が多かったです。
2月には390回だったのが、約85倍増加しました。
企業側の発信ではなく、大谷選手のインスタの投稿であったことと、さりげなく写り込んでいたことから気になって検索したユーザーが多かったようです。
クラスターファインダーも見てみました。
クラスターファインダーはシードキーワード(コスメデコルテ)を検索する前後に検索されたキーワード(最大1万個)を基に、検索行動を抽出し、クラスターを生成します。
“コスメデコルテ”を検索してみたところ“大谷翔平”というクラスターが出来上がっていました。
1つのクラスターが出来上がるくらい、影響があったと言えます。
では、消費者は大谷選手がアンバサダーを務めるブランド名を検索した後、何をしようとしているのでしょうか?
大谷選手の凄さを知りたいのでしょうか?
大谷選手と同じものを購入しようとしているのでしょうか?
消費者ニーズから見えたアンバサダーの使い方
消費者ニーズ1.大谷翔平の私服が気になる!
ニューバランスの大谷効果について見ていくと、野球用品以外にもスポーツウェア、ファッションアイテムについて調べているユーザーが多かったです。
“ニューバランス 大谷翔平 Tシャツ”の経路を見ると、Tシャツ、アンダーシャツ、帽子、ジャージ、セットアップ、スニーカーなど幅広いアイテムに繋がっていました。
特にスニーカーは詳しいシリーズ名や着用シーン(帰国)まで検索されております。
ロードビューを見てみると、大谷選手がアンバサダーを務めるブランド同士、繋がることもありました。
ニューバランスからbossにも繋がるパスを見てみると、
スニーカーのシリーズ名→帰国時に身に着けていたアイテム→私服ブランド→bossという経路でした。
ユニフォームやスポーツウェア、スーツ姿での露出が多いですが、大谷選手の帰国時のファッションや私服についても消費者は気になっており、同じものを購入したいというニーズが見えました。
会見や新商品のビジュアル撮影などのかしこまったシーンだけでなく、私服や帰国時に着用していた商品の情報発信や、販売ページでの特集、上位表示なども効果的でしょう。
子どもにも大人にも人気なので、大谷選手に提供する商品も、大人サイズとジュニアサイズがあるモデルだと、購入に繋がりやすいのではないでしょうか。
消費者ニーズ2.大谷翔平のスキンケアが気になる!
1番検索量が伸びていたコスメデコルテを見てみると、大谷選手のロッカーに写っていたことで話題になったこともあり、“コスメデコルテ 大谷翔平 ロッカー”というキーワードがありました。
前後のパスを見ると、
- コーセーからコスメデコルテを認知
- 大谷翔平化粧品からコスメデコルテを認知
- コスメデコルテ大谷翔平からリポソームという商品名を認知
していることが分かりました。
企業名、ブランド名、商品名全てがパス上にあり、ブランドとして理想的な認知拡大のパスとなっておりました。
商品を認知した後には、使い方や値段にも繋がっており、こちらも大谷選手と同じものを購入しようとしているユーザーがいることが分かりました。
検索量は多くないですが、“コスメデコルテ メンズ”というキーワードも3月以降伸びており、メンズ市場でも徐々に認知され始めています。
芸能人ではなく、スポーツ選手を起用したことで一般の消費者もメンズコスメ、スキンケアに興味を持つきっかけになったのではないでしょうか。
消費者ニーズ3.大谷翔平を待ち受けにしたい!
イケメン、かっこいいというキーワードと共に検索される大谷選手ですが、壁紙や待ち受けに出来る画像に関してこれ程のニーズがあることに驚きました。
待ち受け、壁紙、画像、写真、イラストなどのキーワードで検索されており、
ニーズはかっこいい、かわいい、高画質、最新や、
待ち受けにする機種ごとにスマホ、アンドロイド、iPhone、PCなどのキーワードがありました。
人気のシーンとしては、スーツ、私服、空港、WBC、兜などがありました。
“大谷翔平 待ち受け 効果”というキーワードもあり、一部では大谷選手を待ち受けにすると運気があがるという諸説もあるようです…。
高画質の待ち受けに出来る画像のニーズがあるということも、検索データを通じて見つけることができました。
スポンサー企業はSNSやリリース記事、販売ページに使用した画像等、高画質バージョンを提供することで、ブランドの認知拡大、ブランドロイヤリティの上昇などが期待できるのではないでしょうか?
検索データからアンバサダーマーケティングの効果を見てみました。
アンバサダーを起用することで、すぐに売上に繋がる商品もあれば、売上に繋がるまで時間がかかる商品もあります。
売上だけでなく検索量の推移や関連キーワードの変化を見て、マーケティング効果の測定ができ、次のアクションプランを立てられるのではないでしょうか?
リスニングマインドは7日間の無料トライアルも実施中です。
自社や他社で起用しているアンバサダーのマーケティング効果を見てみませんか?